フェルスタッペンに不穏? ウィートリーの後任を巡るレッドブルF1人事に関する興味深い憶測
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ジョナサン・ウィートリーがアウディのF1チーム代表に就任するとの衝撃的な発表でサマーブレイクを迎えた今夏のF1。レッドブルのスポーティング・ディレクターとしてのウィートリーの後任を巡る興味深い憶測がある。
レッドブルの数々のF1タイトル獲得に重要な役割を果たしてきたウィートリーは、元フェラーリのF1チーム代表、マッティア・ビノットとともに2026年より始まるアウディのワークスチームを監督する。
ウィートリーの移籍を受けレッドブルは「今後数週間」のうちに新しいチーム体制を発表すると説明し、チーム内部から後任を選ぶ可能性を強く示唆した。
1990年代初頭にベネトンのメカニックとしてF1でのキャリアをスタートさせた経歴を持ちながらも、技術だけでなく政治、レギュレーションの抜け穴にも精通すると見なされているウィートリーの後を引き継ぐのは誰か?
英AUTOSPORTは、ウィートリーが現在担っている役割をレッドブルが2つに分け、マックス・フェルスタッペンのレースエンジニアを務めているジャンピエロ・ランビアーゼを昇進させ、FIAとの交渉を含む外交的役割に関しては別の幹部を充てがう可能性を指摘した。
職務範囲にも依るだろうが、それでもレースエンジニアとの兼任は難しいように思われる。
ランビアーゼ本人が昇進を望んでいるのであれば、また2028年末迄の契約を持つフェルスタッペンの早期離脱が決定しているのであれば話は別だが、数々の成功を収めてきたこのタッグをレッドブルが敢えて変更するシナリオはあり得るのだろうか?
トロ・ロッソからレッドブルに昇格した2016年のスペインGP以来、フェルスタッペンはランビアーゼこと”GP”と一貫してコンビを組んできた。
時にかなり険悪な無線のやり取りが注目を集めることもあるが、それはフェルスタッペン曰く、2人の間の通常のコミュニケーションであり、お互いに絶対的な信頼を寄せていることの証だ。
信頼関係を築くのに時間がかかるとしてフェルスタッペンは、これまで一貫してレースエンジニアの交代に反対してきたことを明かしており、初タイトルを獲得した直後に遡るものの、ランビアーゼが辞めるのであれば自身も辞めるとさえ公言した。
ランビアーゼについてフェルスタッペンは昨年末、「みんなは僕らの関係をあまり理解していないように思う。時々、激しいやり取りをすることもあるけど、それがレースに対する僕らのアプローチなんだ。お互いにベストを望んでいるんだよ」と語った。
「今は何も言う必要がない。たとえオーバーステアやアンダーステアが少し出たとしても、GPは僕のドライビングに合わせてクルマのどこを変えれば良いか分かっているからね」
「この手の信頼関係を築くには時間がかかるから、僕はレースエンジニアの交代に一貫して反対してきたんだ。良い走りをするうえで決定的に重要だからね。一緒に長くいられるほど良い」
「これほど支配的なシーズンでさえ、物事が上手くいかない状況になると僕は気分が悪くなるけど、それはGPも同じだ」
「お互いに勝つ事を望んでいるし、完璧なんてあり得ないけど、それでもできるだけ完璧に近いものにしたいと思って、そのために努力している」
「だからこそ、時には言い争ったりすることもある。でもそれは、僕らがあくまでも勝利を目指しているからであって、週末を終えて『どうすればもっと上手くできたんだろう』って言いたくないからなんだ」