引き抜き6名は序の口? レッドブルF1、メルセデスのエンジン技術者100名に接触

メルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズの外観と看板Courtesy Of Daimler AG

レッドブルは新会社レッドブル・パワートレインズの採用活動において、ライバルであるメルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズ(HPP)の従業員に目をつけ、既に100名近くに接触しているようだ。

来年以降、ホンダのF1プロジェクトを引き継ぎ、新規約が導入される2025年に向けて初の独自エンジン開発を進めるべく、レッドブル・パワートレインズはV6ハイブリッド時代の最強エンジンを作り上げてきたメルセデスHPPの人材を次々と引き抜いている。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

英国ミルトンキーンズに建設中のレッドブル・パワートレインズのファクトリー、2021年5月6日

現在明らかにされている元メルセデス技術者は、テクニカルディレクターに就任したベン・ホジキンソンを含めた6名だが、メルセデスのトト・ウォルフ代表はSky Sportsとのインタビューの中で、レッドブルは約100名の従業員に接触し、そのうち15名程度が引き抜かれた可能性があるとの考えを示した。

ウォルフは英国内にエンジン工場を構えようとすればメルセデスHPPの人材が狙われるのは必然だとした上で、「我々には約900人の従業員がいる。そのうちの15人が漁られたとしても、それは常識的な数と言える」と語った。

なお、引抜きによって欠員が出たポストに関しては内部から昇進させる考えを示し、ブリックスワースのファクトリー運営に影響が及ぶ事は一切ないと主張した。

レッドブルのアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、人材引き止めのためにメルセデスが給料を2倍にするオファーを出していると主張しているが、ウォルフはこれを否定しなかった。

しかしながた「給料を2倍にする事は一つの方法だが、3倍にしたりと、ある一定を超えれば、如何に忠実な人材であっても抗う事はできなくなってしまう」と述べ、レッドブルの提示金額はそれ以上の可能性があると仄めかした。

「私が言えるのは、我々の優秀な人材の中には、例え”宝くじのような給料”を打診されても、意に介さなかった人もいるという事だ」

レッドブルは、今後数週間以内にメカニカル開発責任者の起用を発表するとしているが、最終的に一体何名のエンジニアがブリックスワースからミルトンキーンズにハンティングされる事になるのだろうか。

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