レッドブル・ホンダ未だ引き下がらず、ハミルトン裁定への再審請求を執拗に検討…有力証拠あり?

決勝レース前のグリッドでレースに向けた準備を進めるレッドブル・ホンダのクルー、2021年7月18日F1イギリスGPにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

何か有力な証拠があるのだろうか? レッドブル・ホンダはF1第10戦イギリスGPでクラッシュを引き起こしたルイス・ハミルトン(メルセデス)に対する”軽微”な罰則裁定について、1週間を経て未だに再審査を請求するかどうかを執拗に検討している。

1周目のコプス(ターン9)で発生した事故によってマックス・フェルスタッペンは、念の為とは言え病院へと搬送される事となり、大破したRB16Bの被害額は当初の見積もりの2倍に相当する約180万ドルに達し、更には大量のチャンピオンシップポイントを逃す最悪の結果に終わった。

怒りを爆発させたレッドブル首脳陣は、スチュワードによって科されたハミルトンに対する10秒ペナルティは不十分であるとして、行為の危険性を踏まえればレース禁止に値する罰則が相当だと強く訴えた

ホーナーはレース後、スチュワードが下した裁定に抗議する可能性を示唆したものの、実際に行使するかどうかについては懐疑的な見方を示していた。だが、1週間を経てミルトンキーンズのチームが依然として再審査請求に向けて様々な選択肢を評価している事が分かった。

ホーナーは恒例のレース後コラムの中で「当時、我々があのインシデントに対するハミルトンへのペナルティが軽微だと感じていた事は周知の事実だ。それは今も変わっていない」と綴った。

「事件の重大性にも関わらずペナルティは寛大だった。我々には再審査を要求する権利があり、すべてのデータと証拠を分析して、あらゆる選択肢を検討している」

成功の可能性が乏しいと思われるにも関わらず、レッドブル・ホンダが執拗に再審査を狙っている理由の一つは事故による約180万ドルもの損害だ。これは1億4500万ドルに制限された今季の予算の約1.2%に相当するもので、ホーナーは残りのシーズンへの「深刻な影響」を懸念している。

FIA国際スポーツ規約はチームに再審請求権を認めている。ただしこれには「当該事項の決定の際に、再審を求める当事者が利用できなかった重要かつ関連性のある新たな証拠」を要求している。

再審の嘆願期限はイベント終了14日後に期限切れとなるため、レッドブル・ホンダとしては次戦ハンガリーGPまでに対応を決める必要がある。

再審査権が行使された場合、スチュワードはオンラインあるいは実地で会合を開いて新たな証拠を検討する。提出された証拠が要件を満たしていると判断されれば、正式に再審査が行われる。

最近ではアルファロメオが2020年のエミリア・ロマーニャGPで再審査権を行使した。これはキミ・ライコネンへのタイムペナルティの裁定に関連するもので、証拠自体は認められたが覆すには至らなかった

また2019年のカナダGPではセバスチャン・ベッテルに対する裁定についてフェラーリが権利を行使したが、この時は証拠そのものが認められなかった

レッドブル・ホンダはどのような証拠を検討しているのだろうか?

裁定が下された際に利用できなかった事が要件であるため、例えばフェルスタッペン本人の証言や事故当時に失われていたとされる車載データ、フェイスカメラ映像、同じコプスでシャルル・ルクレールを交わした際のハミルトンの動きの分析データなどが考えられるが、、果たして。

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