敢えて選んだソフト戦略「スプリントを捨てた」とアロンソ、F1カタールGP決勝を見据えるアストンマーチン
Published:
2023年10月7日のF1カタールGPスプリントを入賞圏外9位でフィニッシュしたフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)は、スプリントを「捨てる」ために敢えてデグラデーションが高いソフトタイヤを選んだと認めた。
初日を経て露見したタイヤの安全性に関する懸念を受け国際自動車連盟(FIA)は日曜の本戦に向け、3ストップを義務づけるかどうかについて検討している。この場合、チームは通常より多くのタイヤを投入せざるを得なくなる。
こうした状況を背景にスプリントではタイヤ戦略が真っ二つに分かれた。ランス・ストロールを含むアストンマーチン勢は、アルピーヌ、フェラーリ、カルロス・サインツ(フェラーリ)、ローガン・サージェント(ウィリアムズ)と並んでソフトをチョイスした。
即座に作動するものの短命のソフトタイヤと、スタートやリスタートの度に脆くもロングライフが期待できるミディアム。序盤はソフト勢が怒涛の勢いを見せたが、レースディスタンスを半分も消化すると一転、ミディアム勢の逆襲が始まった。
アロンソは19周のレースの17周目までポイント圏内7番手を走行していたものの、残り2周でルイス・ハミルトン(メルセデス)とアレックス・アルボン(ウィリアムズ)に交わされた。結果、9位でフィニッシュしたが、その後、シャルル・ルクレール(フェラーリ)に5秒加算ペナルティが科されたため、最終的には最後の入賞枠8位に昇格した。
ソフトタイヤのデグラデーションについて問われたアロンソは「劣化はかなり酷かった。実質的な周回数が減ったにも関わらず、セーフティーカーは役に立たなかった」と語った。
「今日はタイヤを上手くマネジメントできなかったけど、いずれかのレースを捨てる必要があった。どちらかでソフトを使わなきゃならなかったから、明日に向けてミディアムを温存することにした」
「今日は9番手スタートだったから、取れても1ポイントか2ポイントだと踏んだ。リスクを犯す価値はなかった」
シーズン中盤戦以降、AMR23は明らかに競争力を落としているが、ロサイル・インターナショナル・サーキットでのペースはさほど悪いように見えない。レースに向けて楽観的か?と問われるとアロンソは「もちろんだ」と答えた。
「僕らは今日よりも明日のために準備を重ねてきた。さっきも言った通り、今日のレースを犠牲にしてまでも、戦略的に利用可能なタイヤをできる限り温存した。ピットストップの数を含めて戦略的にどうなるかは様子を見る必要があるけど、明日の目標はトップ5だ」
アロンソはルイス・ハミルトン(メルセデス)と並び2列目4番グリッドに着く。
2023年F1カタールGPスプリントではオスカー・ピアストリ(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインを飾った。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は2位フィニッシュで3年連続、3度目のドライバーズタイトルを獲得した。
決勝レースは日本時間10月8日(日)26時にフォーメーションラップが開始され、1周5,419mのロサイル・インターナショナル・サーキットを57周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。