19歳オリバー・ベアマン、ハースとの複数年契約で2025年F1デビュー…初陣入賞は「決定的要因」に非ずと小松礼雄

複数年契約を結んだオリバー・ベアマンとハースの小松礼雄、ジーン・ハース、2024年7月4日Courtesy Of Haas

ハースF1チームはF1第12戦イギリスGPの開幕を翌日に控えた2024年7月4日、フェラーリ育成傘下のオリバー・ベアマンとの2025年F1デビューを含む複数年契約を発表した。前日の朝に契約書にサインした。

19歳のイギリス人ドライバーはハースのリザーブ・ドライバーを務める傍ら、プレマ・レーシングからFIA-F2選手権に参戦しており、先週末にオーストリアで開催されたスプリントレースで今季初勝利を挙げたが、現在ランキング14位と低迷している。

フェラーリの控えドライバーとしても活躍するベアマンは今年3月、虫垂炎を患ったカルロス・サインツの代役としてF1サウジアラビアGPで急遽出走。初戦ながらも7位入賞を果たし、ハースのチーム代表を務める小松礼雄を含むパドック全体に強い印象を残した。

今回の決定はサウジアラビアでの活躍や、オーストリアでの今季F2初優勝によってのみもたらされたわけではなく、むしろハースから参加したF1フリー走行やテストを通じてベアマンがハースに与えた感銘によるところが大きい。

チームオーナーのジーン・ハースは「サウジアラビアで見せたパフォーマンスだけでなく、我々との関係を築いてきた時間を通じて彼は、自身が間違いなくエキサイティングなルーキーであることを示してきた」と語った。

また、小松礼雄はF1公式サイトに対して「もちろんそれは素晴らしい材料ではありましたが、決定的な要因ではありません」と語った。

「昨年のメキシコとアブダビ(のフリー走行)の段階で既に、彼の実力と、彼と共に仕事をすることの素晴らしさを目にしていました。私はそのことにもっと感銘を受けました」

「シーズン終了後のテストや幾つかのFP1セッションなど、我々は彼と直接接した経験があります」

Courtesy Of Haas

ハースと複数年契約を結んだオリバー・ベアマン、2024年7月4日

2023年にベアマンは、ハースからメキシコとアブダビのFP1に参加し、ポストシーズン・テストでは終日、VF-23を走らせた。今季もこれまでに2度のFP1に参加しており、今週末のイギリスGPを含めて計6回のプラクティスでVF-24のステアリングを握る予定だ。

ハースとの契約についてベアマンは「このことが自分にとってどれほど大きな意味を持つかを言葉で表すのは難しい」と語った。

「F1ドライバーとしてハースの一員になるということを声に出して言うと本当に誇らしい気持ちになる。子供の頃に夢見ていたことを実現できる数少ない人間の一人になれるなんて、本当に信じられない」

「ジーン、アヤオ、そしてハースチームの皆、僕を信頼してくれたことに感謝している。メキシコで初めて会って以来、皆と仕事をするのが本当に楽しかった。この先もずっと一緒にいられればと思ってる」

「スクーデリア・フェラーリ・ドライバー・アカデミーのフレッド、マルコ、ジョック、アレッサンドロ、そしてチームの皆。彼らなしで僕はここに立ち得なかった。F4時代からこのような素晴らしい機会を与えてくれてありがとう。全力で頑張るよ」

ニコ・ヒュルケンベルグはザウバーへの移籍が決まっており、2024年末で現行契約が終了するケビン・マグヌッセンはまだ、来季の予定が決まっておらず、ベアマンのチームメイトは現時点で未定だ。

エステバン・オコン(アルピーヌ)とバルテリ・ボッタス(ザウバー)が有力視されているが、オーストリアGPでの8位入賞のように、好調なリザルトを繰り返すことができれば、マグヌッセン残留の可能性もあるかもしれない。

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