ランド・ノリス、オーストリアに続き再び接触「ペレスに楽をさせる気はない」裏ではリカルドが献身のチームプレイ
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レッドブル・リンクでのオーストリアGPに続き、ランド・ノリス(マクラーレン)は9月5日に開催されたF1オランダGP決勝で再びセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)と接触した。
ピットレーンスタートからの巻き返しに取り組むペレスは、残り7周でDRSを使って4号車マクラーレンMCL35Mの背後につくと、ターザン・コーナー(ターン1)で大外刈りを仕掛けた。
その後、コーナー出口に向けて接近した際、ペレスの右フロントとフロアがノリスの左リアと接触。11号車RB16Bはダメージを負ったものの、ペレスは続くターン3のバンクコーナーでイン側を奪った。
インシデントを振り返ったノリスは「クルマ全体が大きく跳ねたせいで足がペダルから外れちゃって、そのせいで加速が鈍ってしまったんだと思う」とペレスに先行を許した理由を説明した。
バトルの際に脳裏にあったのは、やはりレッドブルリンクでの一件だった。互いに一切主張を曲げなかったオーストリアでの接触の際は、ペレスがグラベルへと弾き出される形となりノリスにペナルティが科された。
「コーナーを回っている間中ずっとミラーを見続けるわけにもいかないから、色んな事を彼に委ねなきゃならない」とノリスは続ける。
「彼が僕を尊重し、僕が彼を楽に行かせない事を彼が知っていて…っていう風にね」
「彼には十分なスペースを与えたつもりだ。オンボード映像を見直したりする必要はあるけど」
「今後も彼に楽をさせる気はないよ。スロットルを踏み込んで彼を追いやっていく。でもそれだけ。接触しようとしたり、無理に引き離そうとしたりするつもりはない」
「前にやった時はペナルティを受けたしね。僕はバカじゃないし愚かでもないけど、彼を通すつもりもない」
ペレスはその後、手負いのマシンでエステバン・オコンを狩り8位フィニッシュを果たした。対するノリスは入賞圏内ギリギリの10位でクルマを降りた。
ノリスは「リザルトとしては少し複雑だね。10位はガッカリの結果だけど13番手からのスタートじゃこれ以上は無理だったと思うし、良しとしなきゃ」と付け加えた。
なおチームメイトのダニエル・リカルドはクラッチパドルに問題を抱えた事でスタートで大きく出遅れ、ノリスの得点を支援すべく第一スティントを伸ばすチームプレイに徹して11位でクルマを降りた。
チーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルは「残念ながら成果を上げる事はできなかったが、チームとして最大限のポイントを獲るべくチームゲームを演じてくれたダニエルに感謝している」とリカルドの献身に頭を下げた。
9月5日(日)にザントフォールト・サーキットで行われた2021年F1第13戦オランダGP決勝レースでは、地元出身のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がポール・トゥ・ウインを飾り、2位にルイス・ハミルトン(メルセデス)、3位にバルテリ・ボッタスが続く結果となった。
モンツァ・サーキットを舞台とする次戦イタリアGPは9月10日のフリー走行1で幕を開ける。