F1モナコGP:ガスリーが可哀想とグロージャン…決勝で3グリッド降格処分
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F1モナコGPのレーススチュワードは、レッドブル・ホンダのピエール・ガスリーとアルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィに、決勝での3グリッド降格を科す裁定を下した。
2人のドライバーは25日(土)に行われた公式予選で、それぞれ他車の走行妨害をしたとして審議の対象となっていた。ガスリーはロマン・グロージャン(ハース)、ジョビナッツィはニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)のアタックラップを妨げる形となった。
チームメイトのケビン・マグヌッセンはQ3への進出を決めており、グロージャンにもその可能性があったが、アタックラップを終える事が出来ず13番手でQ2ノックアウトを喫した。タイム計測のチャンスを潰されたことに対してグロージャンは、放送禁止用語を連発して憤りをあらわにした。
映像証拠の見直しと、チーム代表及び該当ドライバーからの聞き取り調査を終えたスチュワードは、両者の行為はFIA F1スポーティングレギュレーション31条5項への違反だと判断。各々に対して、規約に定められた3グリッド降格ペナルティを言い渡すと共に、ペナルティポイント1点を加算した。
だがスチュワードの報告書は、ガスリーはチームからグロージャンが背後に迫っているとの警告を受けておらず、避ける術がなかったと記している。ウォームアップラップを走行していたガスリーは、ターン4を通過する際に”必要以上に低速で走行した”とみなされ、予選後に調査が行われた。予選後に一件についての感想を求められたグロージャンは、次のように語っている。
「彼が可哀想だ。何も聞かされていなかったんだから。僕にはQ3に進めるだけの可能性があったのに、あの一件のせいで大きな代償を支払う事になってしまった」
「レッドブルは本当にクソだが、ピエールに出来る事は何もなかった」
ジョビナッツィの件に関しても、スチュワードは完全にその過失を認めたわけではなかった。レッドブルが為すべき職務を遂行しなかったのに対して、アルファロメオは仕事そのものが遅かった。スチュワードは「チームからジョビナッツィへの警告が非常に遅れた」としながらも、「警告の有無に関わらず、もう少しスペースを開けるべきだった」としている。
ペナルティの結果、ガスリーは8番手へと後退し、ケビン・マグヌッセン、ダニエル・リカルド、ダニール・クビアトのグリッドがそれぞれ一つずつ繰り上がり、ジョビナッツィは18番手へと後退し、シャルル・ルクレールとセルジオ・ペレス、ランス・ストロールのグリッドが1つずつ繰り上がる事になる。
予選セッション中に車検指示を無視しかけたシャルル・ルクレール、セルジオ・ペレス、ヒュルケンベルグの3名も審議の対象となっていたが、「No Further Action=お咎め無し」の裁定が下り、いずれもペナルティなしの事なきを得た。