ホンダ、フェルスタッペンのポールは消滅も 全車トップ10の速さ / F1メキシコGP《予選》結果とダイジェスト
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2019年FIA F1世界選手権 第18戦メキシコGPの公式予選が、エルマノス・ロドリゲス・サーキットで現地10月27日13時から1時間に渡って行われ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが全体のトップとなる1分14秒758を記録した。
本来であればハンガリーGPに続き、キャリア通算2度目、ホンダF1としては、1990年のゲルハルト・ベルガー以来初めてとなるメキシコでのポールポジション獲得となったはずであったが、セッション中の黄旗を見落とし減速しなかったとして、3グッリド降格処分を受け、ポールは幻と消えた。
とは言え、ホンダ製F1パワーユニット搭載車両は4台全てが最終Q3へと進出し、アレックス・アルボンが5番手、ダニール・クビアトが9番手、ピエール・ガスリーが10番手と、オールTop10を飾る速さを示した。ホンダPU勢が4台ともQ3進出を果たしたのは、モナコGP以来、今シーズン2度目。
最有力候補の呼声高かったフェラーリ勢は、フェルスタッペンには及ばず、シャルル・ルクレールが0.266秒落ちの2番手。セバスチャン・ベッテルは0.412秒落ちの3番手という結果に終わったものの、フェルスタッペンの降格によって、フェラーリは1974年以来、45年ぶりの6戦連続ポールポジションの快挙を果たした。
高地エルマノス・ロドリゲスを苦手とするメルセデスAMG勢は、ルイス・ハミルトンが4番手、バルテリ・ボッタスが6番手と奮わなかった。Q3の最終アタックではボッタスがクラッシュ。最終コーナーのパワーオンの際にリアを滑らせ、15Gの衝撃とともに外側の壁に激突した。
この事故に伴い、最終コーナーではイエローフラッグが振られ、ベッテルら後続のマシンは計測断念を強いられたものの、フェルスタッペンはセクター3で自己ベストを更新。レーススチュワードは予選終了から1時間半後、黄旗無視の可能性があるとしてフェルスタッペンを招集。降格ペナルティとペナルティポイント加算の裁定を下した。
予選Q1:ハースとウィリアムズが姿消す
決勝のスタートグリッドを決する争いは、気温19.8℃、路面32.8℃、湿度60.2%のドライコンディションでスタート。第一ラウンドのQ1では、ウィリアムズの2台が先陣を切った。練習走行とは異なり、設置されたスタンドはほぼ満員で、多くの地元ファンが熱戦の模様を楽しんだ。レッドブル・ホンダの2台は、フェルスタッペンがトップタイム。アルボンがコンマ2秒遅れの2番手でQ2進出を果たした。
ハースのロマン・グロージャンは、1セット目のタイヤのアタックの最中にターン3でコースオフ。2セット目に履き替えた後も奮わず、18番手で敗退を喫した。ハースはエルマノス・ロドリゲスを苦手としており、チームメイトのケビン・マグヌッセンも18番手と、揃ってQ1ノックアウトに終わった。
ノックアウト
- ランス・ストロール
- ケビン・マグヌッセン
- ロマン・グロージャン
- ジョージ・ラッセル
- ロバート・クビサ
予選Q2:上位勢はミディアムスタート
トップ10進出組にとって、決勝のスタートタイヤが決するQ2では、トロロッソ、レッドブル、メルセデス、フェラーリの各2台と、マクラーレンのカルロス・サインツが、ミディアムタイヤを履いてコースインした。
1セット目のアタックを終えてノックアウトゾーンに沈んだのは、カルロス・サインツ、アントニオ・ジョビナッツィ、キミ・ライコネン、ピエール・ガスリー、ダニール・クビアトの5台。アルファロメオの2台は最後のアタックで抜け出す事は出来ず、Q2敗退を喫した。
2セット目のランに向けては、メルセデスの2台を除く全車がソフトタイヤに履き替えコースイン。フェラーリとレッドブル・ホンダはソフトを履きながらもタイムを更新しなかったため、3強チームは全て、ミディアムタイヤで明日の決勝レースをスタートする事になる。
ホンダエンジン勢は4台全てが最終ラウンドへと駒を進めた。冷却系に問題を抱え、MGU-Kを交換して臨んだルノー勢は、ニコ・ヒュルケンベルグが12番手、ダニエル・リカルドは13番手でノックアウトとなった。
地元出身のレーシングポイント、セルジオ・ペレスは11番手。Q3には進めなかったものの、タイヤ選択の自由がある最も良いポジションを手にした。
ノックアウト
- セルジオ・ペレス
- ニコ・ヒュルケンベルグ
- ダニエル・リカルド
- キミ・ライコネン
- アントニオ・ジョビナッツィ
予選Q3:ボッタスのクラッシュで幕締
トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3では、まずはボッタスが先頭でコースイン。すぐ後ろにはハミルトンが続き、スリップストリームを与える作戦に打って出た。レッドブル・ホンダ勢も同じように、アルボンがフェルスタッペンを牽引。これが功を奏したか、フェルスタッペンが暫定ポールタイムをマークした。
1セット目を終えての順位は、フェルスタッペン、ルクレール、ベッテル、ハミルトン、アルボン、ボッタス、サインツ、クビアト、ガスリー、ノリスの順。ポール争いは跳馬VSフェルスタッペンの構図となった。
最終アタックでは、最終コーナーでボッタスがクラッシュ。アクセルを掛けた際にリアが滑り、アウト側のバリアに突っ込む形となった。最終コーナーにはイエローフラッグが振られ、頂上決戦は1セット目のタイムで決する事となった。
F1メキシコグランプリ決勝レースは、日本時間10月27日(日)28時10分にスタート。1周4304mのエルマノス・ロドリゲス・サーキットを71周する事でチャンピオンシップを争う。
2019年F1第18戦メキシコGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
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1 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:15.949 | 1:16.136 | 1:14.758 | 15 |
2 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:16.364 | 1:16.219 | 1:15.024 | 17 |
3 | 5 | ベッテル | フェラーリ | 1:16.696 | 1:15.914 | 1:15.170 | 17 |
4 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:16.424 | 1:15.721 | 1:15.262 | 20 |
5 | 23 | アルボン | レッドブル | 1:16.175 | 1:16.574 | 1:15.336 | 18 |
6 | 77 | ボッタス | メルセデス | 1:17.062 | 1:15.852 | 1:15.338 | 18 |
7 | 55 | サインツ | マクラーレン | 1:17.044 | 1:16.267 | 1:16.014 | 19 |
8 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:17.092 | 1:16.447 | 1:16.322 | 20 |
9 | 26 | クビアト | トロロッソ | 1:17.041 | 1:16.657 | 1:16.469 | 22 |
10 | 10 | ガスリー | トロロッソ | 1:17.065 | 1:16.679 | 1:16.586 | 22 |
11 | 11 | ペレス | レーシングポイント | 1:17.465 | 1:16.687 | 14 | |
12 | 27 | ヒュルケンベルグ | ルノー | 1:17.608 | 1:16.885 | 14 | |
13 | 3 | リカルド | ルノー | 1:17.270 | 1:16.933 | 14 | |
14 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 1:17.225 | 1:16.967 | 14 | |
15 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1:17.794 | 1:17.269 | 14 | |
16 | 18 | ストロール | レーシングポイント | 1:18.065 | 8 | ||
17 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:18.436 | 9 | ||
18 | 8 | グロージャン | ハース | 1:18.599 | 9 | ||
19 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 1:18.823 | 10 | ||
20 | 88 | クビサ | ウィリアムズ | 1:20.179 | 9 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 19.8℃ |
路面温度 | 32.8℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1メキシコGP |
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セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | エルマノス・ロドリゲス・サーキット |
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設立 | 1962年 |
全長 | 4304m |
コーナー数 | 16 |
周回方向 | 時計回り |