情に厚いメルセデス、壮絶クラッシュで火傷負ったロマン・グロージャンにF1テストを提供

インタビューに応えるメルセデスのトト・ウォルフ代表、2020年F1サクヒールGPcopyright Daimler AG

両手に負った火傷が治らず最終アブダビGPに出走できないままにF1キャリアが終わる事態となった場合、メルセデスはロマン・グロージャンにシルバーアローでのテストの機会を用意すると約束した。

今季限りでハースF1チームとの契約が切れるグロージャンは、前戦バーレーンGPで火災を伴う衝撃的なクラッシュに見舞われ火傷を負った。3泊4日の入院を経て無事に退院したものの、今も両手には包帯が痛々しく巻かれており、サクヒールGPの欠場を余儀なくされた。

死を受け入れた28秒間の舞台裏

今季F1も残り1戦。グロージャンに来年の契約はない。回復状況次第では来週末に控えるアブダビGPへの出走も危ぶまれる。仮にヤス・マリーナ・サーキットでの週末も欠場を強いられれば、グロージャンは本来F1でのラストランとなるはずであったレースをパドックから傍観しなくてはならない。

10シーズンに及んだF1でのキャリアをクラッシュで終わらせたくない…あの事故がF1マシンでの最後の時間だなんて嫌だ…グロージャンはアブダビGPを欠場せざるを得ないのであれば、全てのチームに対してマシンに乗せては貰えないだろうかとオファーを出すつもりだと明かした。

「もしアブダビに出れれば美しいストーリーだね」とグロージャン。

「でも、もし出られないようであれば、全てのF1チームに電話をして1月位にプライベートテストをさせてくれるチームがないか確認してみるつもりだ。自分自身のためにもう一度クルマに乗って10周、15周走ってみたいんだ」

これに対してメルセデスのトト・ウォルフ代表は「これまでに彼がレースをした事のあるチームが全て駄目だというのであれば、我々が引き受けよう」と述べ、グロージャンのためにシルバーアローを1台用意する考えを明らかにした。

グロージャンはロータス時代の2015年に、メルセデス製F1パワーユニット「PU106B Hybrid」を搭載して第11戦ベルギーGPで3位フィニッシュを果たした事があるが、これはグロージャンにとっての最後の表彰台となっている。

F1アブダビGP特集

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