岩佐歩夢、角田裕毅と共にF1日本GPフリー走行出走へ!RBが”オールニッポン”体制に

チーム無限からスーパーフォーミュラに参戦する岩佐歩夢、2024年開幕鈴鹿にてCourtesy Of Red Bull Content Pool

4月5日(金)に鈴鹿サーキットで開催される2024年F1第4戦日本GPの初日フリー走行1に、岩佐歩夢がビザ・キャッシュアップRBフォーミュラ1チームから参加する事が決定した。

TEAM MUGENから2024年の全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦する22歳の日本人ドライバーは、ダニエル・リカルドのマシンを借り受けFP1のプログラムを担当する。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

ガレージ内で話をするアルファタウリのダニエル・リカルドと岩佐歩夢、2023年11月28日アブダビF1ポストシーズン・テスト

レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは25日(月)に公開された「Speedweek」のコラムの中で、初日プラクティスで岩佐歩夢を起用し、RBを「オールニッポン・チーム」とする計画を明らかにした。

突然の告知だが、それらしき兆候はあった。

角田裕毅は第3戦オーストラリアGP後の「F1 TV」とのインタビューの中で、鈴鹿での次戦日本GPについて「FP1では…あ、これは言っちゃまずいかも」と途中で口をつぐみ、詳細は伏せたまま「エキサイティングなニュース」があると予告した。無論、岩佐歩夢の起用とは無関係という可能性もある。

マルコは、RBの2024年型F1マシン「VCARB 01」について「鈴鹿サーキットに合っているはずだ」とも述べ、角田裕毅の母国初ポイントにも期待を示した。

「VCARB 01」はホンダRBPT製F1パワーユニットを搭載しており、岩佐歩夢はレッドブル・レーシングからの支援に加え、ホンダのドライバー育成プログラム「ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト」に所属している。

「夢の実現」に向けて

Courtesy Of ayumuiwasa_cars@Instagram

RBの2024年型F1マシン「VCARB 01」のシート合わせに臨む岩佐歩夢

公式プラクティスデビューを受け岩佐歩夢は「夢の実現」に向けて胸が高まっているとのコメントを寄せた。

「F1の公式セッションに参加できることを大変うれしく思います。F1という世界最高峰レースで勝利を手にし、ワールドチャンピオンで居続けるという自身の『夢』の実現に向かって、母国である日本でその一歩を踏み出せることにワクワクしています」

「まずは、この挑戦を応援してくださっている皆様に心から感謝を申し上げたいです。公式セッションでは、自身に課されたミッションを着実にこなしつつ、より多くのことを学んでまいります。鈴鹿で皆様にお会いできることを楽しみにしています」

HRC(株式会社ホンダ・レーシング)の渡辺康治社長は「岩佐選手には、引き続き『夢』の実現に向かって突き進んでもらい、世界中の若者たちに勇気を与えてほしいと思っています。これからも岩佐選手に熱いご声援をよろしくお願いいたします」と述べた。

RB、更なる成長に期待

RBのチーム代表を務めるローラン・メキーズは、オールニッポン・チームでの走行はファンのみならず、チームにとってもエキサイティングであるとして、鈴鹿FP1での経験を通して更なる成長を期待しているとのコメントを寄せた。

「昨年末のアブダビテストで彼は初めて我々のマシンに乗り、素晴らしい仕事をしてくれた。以降はシミュレータードライバーとしての役割を担い、ファクトリーでのライブレースサポートを含め、毎戦に渡ってチームに多くをもたらしてくれている」

「今回のFP1での経験が彼のドライバーとしての成長に直結する事を当然、信じているし、シミュレーターでの仕事を現場で行うことで彼とエンジニアたちとの協力関係がより強固になる事を期待している」

「FP1ではユーキとアユムという二人の日本人ドライバーが、Honda RBPT のパワーユニットを搭載したマシンで出走することになる。チームにとっても本当にエキサイティングなセッションになるだろう」

伊ファエンツァに本拠を構えるRBが鈴鹿のフリー走行で日本人ドライバーを起用するのはこれが初めてではない。旧スクーデリア・トロロッソ時代の2019年のF1日本GPでは、山本尚貴がピエール・ガスリーのマシンをドライブした。

若手ドライバーのテスト機会拡大を目的にF1競技規定は、グリッド上のすべてのチームに対してグランプリ出走2戦以下のドライバーを年に最低2回、金曜フリー走行で起用する事を義務付けている。岩佐歩夢の起用によりRBは、この義務を一つ消化する事になる。

岩佐歩夢は2019年に鈴鹿サーキット・レーシングスクール・フォーミュラを首席で卒業してホンダの若手育成ドライバーに加わり、2020年に渡欧。フランスF4選手権でチャンピオンを獲得した。

2021年にはレッドブルの若手育成プログラムに加わり、FIA-F3選手権を経て2022年にF1の登竜門、FIA-F2選手権へとステップアップ。ルーキーイヤーながらも2勝を挙げて総合5位を獲得すると、2023年は3勝を挙げてランキング4位に入り、F1参戦に必要なスーパーライセンスの取得条件をクリア。12月に行われたF1アブダビテストにRBの前身、アルファタウリから参加した。

今季はF1へのステップアップを視野に、TEAM MUGENから全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦している。

ホンダは2025年末までレッドブル・レーシングおよび、その姉妹チームであるRBにパワーユニット技術を供与する。

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