勝者レッドブル「奪われた」SCチェッカーを問題視、フェルスタッペンとルクレールの直接対決叶わず
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レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は、F1第16戦イタリアGPの決勝レースがセーフティーカー(SC)先導下でチェッカーフラッグを迎えた事を問題視し、早急な対処が必要との認識を示した。
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が後続のシャルル・ルクレール(フェラーリ)に大差をつけリードしていた53周のレースの48周目、オイル漏れに見舞われたダニエル・リカルド(マクラーレン)がレズモ(ターン6~7)でクルマを停め、SCが導入された。
LAP 51/53
The crane has arrived – but will there be time to get the race restarted? #ItalianGP #F1 pic.twitter.com/onHk620lDS
— Formula 1 (@F1) September 11, 2022
このタイミングでフェルスタッペンとルクレールはタイヤを交換。直接対決に備えたものの、車両回収が遅れた結果、レースは再開を迎える事なくSC先導下で終わりを迎えた。ファンが両者によるコース上での優勝争いを目にする事はなかった。
不完全燃焼勝利を経てレッドブルの指揮官は、SCがラップリーダーであるフェルスタッペンをピックアップしなかったために、時間が不必要に浪費されたと指摘。FIAのオペレーションに問題があったとの認識を示した上で、ファンのためにも早期の対策が必要だと訴えた。
「いいかい、我々はセーフティーカーが導入された状態でレースに勝ちたいとは思っていないんだ。この件に関しては何年にも渡って話し合ってきた」とホーナー。
「レースを続けるための時間は十分にあった。思うに彼らは間違ったクルマ、ジョージ・ラッセル(3番手)をピックアップしてしまった」
「我々のクルマの方が(フェラーリよりも)速かった。セーフティーカーに先導されてではなく、レースをした上で勝ちたかった」
「ファンと同じように残念に思っている。グランドスタンド・フィニッシュが奪われたわけだからね」
「我々は温存していた新品タイヤをマックスに履かせた。対するシャルルはスクラブされたタイヤだった。だがその争いは日の目を見る事はなかった」
「これは、我々が以前から話し合ってきた原則に反するものだと思う。今日の最大の負け組は残念な事にファンだった」
「この件に対処するために早急に検討する必要がある」
F1とチーム、そしてFIAは、可能な限りグリーンフラッグ下でレースを終える事が望ましいとの合意を形成していた。物議を醸した昨年のアブダビGPでの一件の背景にあったのもこの了解事項だった。
マイケル・マシがレースディレクターとした捌いた2021年の最終アブダビGPでは、ルイス・ハミルトンとフェルスタッペンによるタイトル争奪戦がSC先導下で終わるのを防ぐべく、レース再開が急かされる形となった。
なおレース後のグリッド上では、フェルスタッペンが優勝インタビューを受けた際にグランドスタンドからブーイングが飛ぶ場面があった。
これについてフェラーリのマッティア・ビノット代表は「あれはFIAに向けられたものだ」と述べ、ホーナーと同じ様にFIAの手順に問題があったとの認識を示している。
セーフティーカー先導ラップで終了した9月11日(日)の2022年F1第16戦イタリアGP決勝レースでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が優勝を飾り、2位にシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3位にジョージ・ラッセル(メルセデス)が続く結果となった。
マリーナ・ベイ市街地コースを舞台とする次戦シンガポールGPは9月30日のフリー走行1で幕を開ける。