ハミルトン、レッドブルから”不公平”な扱いを受けながらも勝利を掴んだガスリーに共感「トップチームに戻るに値する」

2020年のF1イタリアGPでキャリア初優勝を飾ったアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーを祝福するメルセデスのルイス・ハミルトンcopyright Daimler AG

メルセデスのルイス・ハミルトンは、非情にもシーズン途中に姉妹チームに降格させられるという”不公平な扱い”を受けながらも、逆境を覆して自らの手で初優勝を掴み取ったピエール・ガスリーに共感と尊敬の念を抱いている。

ダニエル・リカルドのルノー移籍に伴い、わずか12戦でレッドブルからトロロッソ(現アルファタウリ)に降格させられたガスリーだが、決して諦めることなく好成績を収め続けて、キャリア55戦目を迎えた9月6日のF1第8戦イタリアGPで念願の初優勝を飾った。

2人の間にはあまり接点がないように見えるが、オフの時間を利用して時折、世界的な人気を誇るシューティングゲーム「コール・オブ・デューティ」をオンラインで楽しんでいる。

ポールシッターのハミルトンは、ケビン・マグヌッセン(ハース)のマシンストップによって導入されたセーフティーカーのタイミングまで首位を快走していたものの、ピットレーンが閉鎖された状態でピットストップを行った事でストップ・アンド・ゴー・ペナルティを科され、本来であれば自身が手にしたはずの優勝をガスリーに奪われた格好となった。

しかしながらハミルトンは、レッドブルから不条理な扱いを受けながらも、トップチームのシートに足る実力があることを証明してみせたガスリーを称賛した。

ハミルトンは「ピエールは本当にいい奴だよ。それに僕は彼が才能あふれるドライバーだと思っている」と語った。

「レッドブルから降格されてしまった時、必ずしも彼が公平な扱いを受けていたとは言えなかったと思ってる。それはドライバーにとって辛く厳しい事なんだ。だから僕は共感している」

「必ずしも速いとは言えないチームで徐々に自信をつけていった彼は、今年手にしたマシンで何度か素晴らしいパフォーマンスを披露し、遂に勝利を掴んだんだ。これは簡単なことじゃないさ」

「今日の彼は素晴らしい仕事をしたと思うし、この成功に値すると思う。それに加えて、彼は自分を降格させたチームに勝ってしまったんだから、レッドブルが痛い目を見たのは間違いないね」

この日のレッドブル・ホンダ勢は、マックス・フェルスタッペンが14番手を走行中の31周目にエンジントラブルによってリタイヤを喫し、アレックス・アルボンは1周目のターン1でガスリーと接触した後、6ポジションダウンの15番手に後退。更に、他車に十分なスペースを残さなかったとして5秒ペナルティを受け、完走車両としては下から2番目の15位でフィニッシュした。

ガスリーに代わってレッドブル・ホンダRB16を駆るアルボンは、チームメイトが卓越しすぎているという側面はあれど、予選・決勝共にフェルスタッペンから大きく遅れを取っている。ハミルトンは、ガスリーが再びレッドブル・ホンダで戦うに値すると考えている。

「彼の成長を見てきた視点から言えば…レッドブルからの降格はアンフェアだったと思うし、成長する時間も与えられていなかった」とハミルトンは語る。

「Bチームに移籍した彼は、こうしてAチームを打ちのめしてしまった。彼は心底それに値するドライバーだと思っているから、僕は満面の笑みを浮かべてしまう。彼にはトップチームに戻る資格がある」

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