ホンダF1、Spec3エンジンで驚異の40馬力増を達成か?ICEの燃焼系改良によってパワーが向上
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ホンダ・レーシングは母国日本でのグランプリを前に、スペック3と呼ばれる新たな仕様のパワーユニットをロシアGPで投入。日本のHRD Sakuraで開発された最新版のPUは、燃焼系改良等によってパワー向上を果たしたICE(内燃機関)に、信頼性の強化を狙ったMGU-Hやターボチャージャー等、その他のコンポーネントを統合したものとなっている。
独のAuto Motor und SportはロシアGP開幕に先立って、ホンダのアップデート版スペック3 V6ターボエンジンは35馬力アップの750馬力を発揮すると予想していたが、初日フリー走行での結果を踏まえ見方を修正。約40馬力相当の向上を果たした可能性があると報じた。
ホンダの直近のライバルであるルノー・スポールは、7月の時点で自社のPUはホンダより最低25馬力上回っているとの見解を表明。スペック3の投入によってホンダが立場を逆転させたと考える者は少なくなく、スクーデリア・トロロッソのフランツ・トスト代表もそのように考えている。参考:ホンダはルノーを凌駕した、とトロロッソ代表
だが、仮に40馬力という驚異的な水準の馬力向上を果たしていたとしても、パワーユニットの性能は馬力だけで評価出来るものではない。来季レッドブル・ホンダのエースドライバーとなるマックス・フェルスタッペンは、レッドブル陣営が馬力だけでなく広範に渡る観点からスペック3の評価を進めていると明かす。
「ドライバビリティやダウン・シフト、エネルギーのデプロイメントや何かについて、チームは慌ただしく分析を進めてるよ。でも(馬力だけじゃなく)その点も有望なんだ。ホンダはパフォーマンスを上げるために本当に必死になって働いているし、プロジェクト全体に多額の資金を投じ続けてる。素晴らしい事さ」
実際にスペック3の性能を目の当たりにしたフェルスタッペンは、レッドブル・ホンダの初陣までに、ホンダが更に大きなゲインをもたらす事を期待している。
「ホンダの開発が今後も順調に進んでくれたらって願ってるよ。シーズン開幕までに彼らがどういったステップを踏むかは既に聞かされてるんだ。すごく期待できる内容だよ」
スペック3の投入によってPUの規定使用数を超えた2台のレッドブル・トロロッソ・ホンダは、ロシアGPの週末にPU交換ペナルティーを消化。これによって母国レースとなる鈴鹿ではグリッド降格なしにレースに挑める状況となっている。
性能面では申し分ない向上を果たした新型PUであったが、実走行を経て車体に想定外の振動が発生していることが発覚。日本グランプリでの継続使用に黄色信号が灯っていたが、ホンダの田辺豊治ディレクターは開幕前日の4日(木)、予定通り鈴鹿で最新型パワーユニットを使用する方針を明らかにした。