ホンダF1、2019年は”表彰台獲得”を含め「トロ・ロッソと共に昨年以上の結果を目指す」
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トロロッソ・ホンダの2019年F1マシン「STR14」の発表を受けて、ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターとスクーデリア・トロロッソの首脳陣が談話を発表した。
「端的に言えば今年の我々の目標は、両チームのために2018年よりも良い結果を達成することです」と田辺TD。昨年はピエール・ガスリーが第2戦バーレーンGPで4位入賞を達成。今季は表彰台獲得も視野に入れ、開発とオペレーションに力を入れていくという。
「トロ・ロッソとのパートナーシップにおいては、より多くのポイントを獲得し、更なる信頼性を身につけ、昨年以上のコンストラクターズ順位を獲得したいと思っています。できれば昨年のバーレーンGP(4位入賞)と同じリザルトか更に上を目指したいですね」
田辺TDが今季の目標に言及した一方で、スクーデリア・トロロッソのフランツ・トスト代表は「シーズン前は毎年そうだが、明確なターゲットを口にするには早すぎる。少なくとも目標を言うのは今ではない」とコメント。時期尚早だとして慎重な姿勢を示したが、今季のトロ・ロッソを取り巻くあらゆる環境に手応えを得ているという。
「レッドブル・テクノロジーとのシナジー効果、社内の技術的知識に基づく非常に高いレベルの我々の信念、ホンダがこれまでに示してきた印象的な開発、そして強力な若手ドライバーといったすべての要素を考慮すると、自信を感じる他にない」
© Getty Images / Red Bull Content Pool、11日に発表されたトロロッソ・ホンダの新車「STR14」
今季STR14は、リアエンドをはじめとする多くの領域で本家レッドブル・レーシングとコンポーネントを共有する。そのためトロ・ロッソ側の開発の余地は大きく減少。実際、マシン開発の責任者たるテクニカル・ディレクター職は空席のままだ。
一見喜ばしいことの様に思われるが、開発の現場レベルで言えば、預かり知らない他所から持ち込まれたものを自前のクルマにフィットさせなければならず、何を拠り所としてマシン開発を突き詰めていくべきかという点が曖昧になる可能性がある。だが、副テクニカル・ディレクターを務めるジョディ・エギントンはそんな心配は無用だと説明する。
「マシンの設計プロセスは何も変わっていない。利用できるリソースが一定量であり、扱う変数が例年より少し少ないだけだ。だがその事によって我々は、パフォーマンス向上をもたらすであろうエリアの開発に集中する事ができる」
マシンが幾ら高性能であろうとも、オペレーションに不備があるようでは結果は残せない。それは昨年のハースを見れば明らかだ。チームマネージャーのグラハム・ワトソンはレースタイムに大きな影響を与えるピットワークを例に上げ、2019年の開幕戦に向けての取り組みの一端を紹介する。
「ピットストップで言えば、昨年の我々はそれ以前よりも一貫性を持ち、タイム的にも早かった。この冬の間、我々はまず2018年の映像を見て注意深く観察する事から始め、その後ポジショニングの点から改善策を作り上げてきた」
「今年はレッドブルからホイールナット・アクスルやリムなどの多くをパーツの供給を受けるから、その点でも一層の改善が見込める。私はチームが正しい方向に向かって進んでいると、かなりの自信を持っている」
新車「STR14」の進化の一端があらわとなる合同テストは、2月18日にカタロニア・サーキットで開幕を迎える。2019年のトロロッソ・ホンダはドライバーラインナップを一新。ダニール・クビアトとアレックス・アルボンがSTR14のステアリングを握る。