トロロッソ・ホンダ「エンジンパワー要求が高く燃費的にも厳しい」

ガレージ内で仕事に取り掛かるホンダF1のスタッフ、2018年F1イギリスGPにてcopyright Honda

今週末、伝統のホッケンハイムがF1がカムバックする。ライン渓谷の中ほどにあるこの歴史的なサーキットは、 グランドスタンドの歓声が独特の雰囲気を作り出す。天候が不安定であるため、チームはあらゆるシナリオを検討した上で万全を期す事が求められる。

計5本のストレートを持つホッケンハイムは、かつて時速360km以上にも達する森の中の超高速ロングストレートが見ものであったが、現在は中高速コース主体のサーキット。最高速は6コーナー手前で計測される325km/hに留まるが、それでもなお依然としてエンジンパワーがラップタイムに与える影響は大きい。

トロロッソ・ホンダ:F1ドイツGPに向けて

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

3連戦を終えて一つ週末を挟み、今週はドイツグランプリに向かいます。ホッケンハイムはかつて、エンジンサプライヤーにとって最も難しいレースの一つでした。その理由は高いスロットル全開率にあり、ドライバーは森の中を走る2本のロングストレートをフルスロットルで駆け抜けていました。2001年の改修によりロングストレート自体はなくなりましたが、カレンダーの中では未だに6番目にパワーセンシティビティの高いトラックであり、燃費についても厳しいサーキットの一つです。

最後に走行したのは一昨年ですが、その時と比べてレギュレーションの変更によりマシンのグリップが大幅に上がっていますので、それに合わせたパワーユニットのセッティングを煮詰めていく必要があります。我々ホンダは、ここで80~90年代に大きな成功を得ていますし、2001年のジャック・ヴィルヌーブ、それに2004年、2005年にもジェンソン・バトンが表彰台に登っており、いい思い出のあるサーキットです。

ピエール・ガスリーW杯を満喫!リフレッシュできた

休みがとれて本当に良かったよ。故郷のルーアンに帰ってバーベキューをやりながら友達と一緒にワールドカップの決勝戦を観戦したんだ。食い入るように観てたんだけど、まるで自分がプレーしてるか、あるいはF1の決勝レースがスタートする時くらいに緊張しちゃったよ!

フランスがワールドカップで2度目の優勝を果たしてくれて超嬉しかったよ!みんなと一緒にお祝いした後に街に繰り出してみたんだけど、興奮したファンが道のそこら中で歌って喜んでたんだ。すごくファンタスティックな瞬間だったよ。自分の街にあんなに多くの人がいるのを見たのは人生初だったし、人口が2倍に増えたみたいになってたよ!3連戦を終えて友達や家族と休みを過ごせて最高に楽しかったし、これからの2連戦に向けてリフレッシュできたと思う。

フォーミュラ・ルノー2.0のデビューがホッケンハイムだったんだけど、あの時は予選2番手になってストフェル・バンドーンと並んでフロントローだったんだ。最後にホッケンハイムに行ったのは2016年のGP2の時で、良いレースができたんだけど、ストレートを走ってる時に消火器が吹き出しちゃってコクピットが煙まみれになってしまったんだ。結局安全上の理由ってことで失格になっちゃったんだけどね。

ホッケンハイムのトラックにはたくさんの歴史があるし、コースの特徴も色々だよね。スタジアムセクションは僕の一番のお気に入りの場所なんだ。あそこはストレートが少なくてテクニカルだし、走ってて一番楽しいんだよ。昔使われてたコースも見てみたいと思ってるんだ。聞いた話だと、ピットに戻る前の超ロングストレートとシケインがすごく印象的なんだってさ。

ブレンドン・ハートレーシミュレーターで準備は万全

3連戦を終えて数日間休みがあって良かったよ。チームの皆も同じ様にすこし休めてると良いな。僕はイギリスでマウンテンバイクをした後に、すぐにシミュレーターに戻ってドイツGPの準備をしてたんだ。

フォーミュラ3ユーロの時にホッケンハイムでレースをしたんだけど、あそこは素晴らしいトラックだと思うよ。僕は歴史のある古いサーキットに行くのが好きなんだけど、ホッケンハイムには今は使われてない森の中を抜ける2本の超ロングストレートがあるんだ。走ってみたかったね!

グランドスタンドに囲まれた最終セクションにはファンが大勢詰めかけてくれて、何とも言えない素晴らしい雰囲気に包まれるんだよね。縁石が厄介な超高速のターン1や、今の時代のF1のトラックとしては珍しいバンクがあるテクニカルな最終的なセクターなど、ホッケンハイムにはあらゆる要素が詰まっている。ハイスピード区間とテクニカル区間、そして路面が上に沿ってるセクションなどの組み合わせが、ドライビングを面白くしてくれるんだ。


ドイツGPの戦いの舞台となるのはホッケンハイムリンク。1周4,574mのコースは”黒い森”と呼ばれるドイツ南西部の森林地帯に位置する。一昨年のグランプリではルイス・ハミルトン(Mercedes)が優勝。2位にダニエル・リカルド、3位にマックス・フェルスタッペンという結果だった。

F1ドイツGPは日本時間2018年7月20日(金)18時からのフリー走行1で幕を開ける。

F1ドイツGP特集

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