F1アブダビGP:保護具の着用違反「多数」もペナルティ科さず、異例の全チーム代表者召喚を経て
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F1アブダビGPのスチュワードは2023年11月26日の決勝レースを経て、目の保護具の着用に関するレギュレーション違反が「多数」あったと判断したが、ペナルティを科さず勧告に留める決定を下した。
シーズンのフィナーレを飾るアブダビでの58周のレースを経てヴィタントニオ・リウッツィら4名の競技審判団は、レースディレクターからの報告を受けて全てのチーム代表者を召喚。現地19時45分より聴聞会を開いた。
F1競技規定第34条はピットレーンに関わる様々なルールを定めたものだが、この中の以下の13項に違反する行為が確認されたためだ。
「 …略)予選、シュートアウト、スプリントまたは決勝のピットストップ中、ピットレーンで車両作業に当たる全てのチームメンバーは、ECCE22.05(欧州2輪用ヘルメット)、DOT(米国2輪用ヘルメット)、またはJIST8133 : 2015(日本乗車用2種ヘルメット)の要件に適合、あるいはこれを上回るヘルメットを身に着けていなければならない。適切な目の保護具の使用が義務付けられる」
違反の疑いが持たれたのは、ルイス・ハミルトン、ピエール・ガスリー、マックス・フェルスタッペン、ローガン・サージェント、周 冠宇、アレックス・アルボンのピットクルーだ。
聴聞会では各チーム代表者からの聴取に加えて、映像の確認作業が行われた。結果、「目の保護具が使用されていない例が多数」確認された。実際、ヘルメットのバイザーを開けた状態でピットレーンに立つクルーの姿があった。
しかしながらスチュワードはペナルティを科す事はなく、最優先事項は安全であるとして、今後は全てのメンバーに対して保護具の着用を徹底させるよう全チームに勧告するに留めた。
アブダビGPは夕暮れ前にスタートを迎え、完全な暗闇の中でチェッカーフラッグを迎えるトワイライトレースとして行われる。そのため、例えば遮光性の高い色のバイザーを装着していた場合、時間の経過とともに視界が悪化する場合がある。