F1オランダGP:タイヤ戦略考と気になる天気、12台変動…ペナ適用後のグリッド

ザントフォールト・サーキットのピットレーン入口前のグランドスタンドに座る観客、2024年8月23日F1オランダGPフリー走行Courtesy Of Alpine Racing

日本時間8月25日(日)22時にスタートを迎える2024年シーズンのF1第15戦オランダGPのスターティング・グリッドが発表された。ペナルティ及び失格が適用される以前の予選暫定結果からの変動、および予想されるタイヤ戦略、気になる天気を見ていこう。

スターティンググリッド

フロアに関する技術規定に違反したとしてアレックス・アルボン(ウィリアムズ)が失格となり、セルジオ・ペレス(レッドブル)に対する走行妨害でルイス・ハミルトン(メルセデス)が3グリッド降格ペナルティを受け、更には決勝直前にケビン・マグヌッセン(ハース)がパルクフェルメ規定に違反したことで計12台のグリッドが変動した。

ハースは予選を経て20号車VF-24に変更を加えると共に、今季3基目となるES(バッテリー)及びCE(コントロール・エレクトロニクス)を搭載した。いずれも年間割当上限を超える。これにより予選14番手のマグヌッセンはピットレーンからのスタートを命じられた。

Q3で8番手タイムを刻んだアルボンは最後尾20番グリッドに着く予定で、同12番手タイムのハミルトンは14番グリッドに並ぶことになる。

3人の処分によって最も恩恵を受けたのは3グリッド昇格したダニエル・リカルド(RBフォーミュラ1)だ。また、ローガン・サージェント(ウィリアムズ)はFP3のクラッシュで予選を欠場したものの、18番グリッドに着く。

キャリア通算4回目のポールポジションに着くのはランド・ノリス(マクラーレン)。最前列2番グリッドには母国4連覇が懸かるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が並ぶ。この2人がフロントロウを共にするのは今季4回目だ。

以下は暫定のスターティンググリッド。レース直前に発表される正式版との差異が発生した場合は更新される。失格およびペナルティ裁定が下される前の予選暫定結果からの変動値を合わせて記す。

Pos No Driver Team Qualifying
1 4 L.ノリス マクラーレン・メルセデス 1(-)
2 1 M.フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 2(-)
3 81 O.ピアストリ マクラーレン・メルセデス 3(-)
4 63 G.ラッセル メルセデス 4(-)
5 11 S.ペレス レッドブル・ホンダRBPT 5(-)
6 16 C.ルクレール フェラーリ 6(-)
7 14 F.アロンソ アストンマーチン・メルセデス 7(-)
8 18 L.ストロール アストンマーチン・メルセデス 9(+1)
9 10 P.ガスリー アルピーヌ・ルノー 10(+1)
10 55 C.サインツ フェラーリ 11(+1)
11 22 角田裕毅 RB ホンダRBPT 13(+2)
12 27 N.ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 14(+2)
13 3 D.リカルド RB ホンダRBPT 16(+3)
14 44 L.ハミルトン メルセデス 12(-2)
15 31 E.オコン アルピーヌ・ルノー 17(+2)
16 77 V.ボッタス ザウバー・フェラーリ 18(+2)
17 24 周冠宇 ザウバー・フェラーリ 19(+2)
18 2 L.サージャント ウィリアムズ・メルセデス
19 23 A.アルボン ウィリアムズ・メルセデス 8(-11)
20 20 K.マグヌッセン ハース・フェラーリ 15(-5)

レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで完全生配信・生中継される。

想定されるタイヤ戦略

週末を通して度々、雨に見舞われたため、ドライコンディションに恵まれたプラクティスはFP2のみとなった。結果、限られた材料で決勝の行方を占うことになるが、それでもなおピレリは理論上の最速戦略は1ストッパーだと断言する。

「3時間のフリープラクティスで得られたデータは比較的少なかったものの、明日のレースに向けてはイベント前のシミュレーション結果が裏付けられた」とピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは説明する。

「理論上、1ストップ戦略が最速であり、C3(ソフト)とC1(ハード)の組み合わせがC2(ミディアム)とC3(ソフト)より優れている」

「前者の場合、ピットストップのタイミングは24周目から30周目の間となるが、後者の場合は4周遅れから34周目の間となる」

ザントフォールト・サーキットはコース幅が狭く、ストレートも少ないためオーバーテイクのチャンスは乏しい。そのため原則的にマルチストップは不利だ。

スタート直後に雨が降り出した昨年のレースでは、20名のドライバーのうち19名がソフトをスタートタイヤに選択した。ミディアムを選んだのはハミルトンのみだった。

8月下旬のザントフォールトの平均気温は14℃から20℃の間で推移しており、昨年、角田裕毅が50周を走り切ったように、気温が著しく上昇しない限りソフトタイヤは有力なレースタイヤとなり得る。

気になる天気は…

午後は概ね、曇り時々晴れの予報でドライ・コンディションが見込まれるものの、レース序盤の時間帯の降水確率は20%となっている。

チェッカーに向けて雨のリスクは下がっていくが、開始前、あるいは序盤に雨が降る可能性は否定できない。

F1オランダGP特集

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