F1メキシコ予選TOP3、”対照的”なレースへの展望…勝利へのキーファクターと特有の課題
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マックス・フェルスタッペンとランド・ノリスがレースペースに不安を抱える一方でカルロス・サインツは、スタート直後のターン1でトップを死守できれば、1週間前のアメリカGPに続いてフェラーリが再びトップチェッカーを受ける可能性が高いと考えている。
F1メキシコGPの舞台、エルマノス・ロドリゲス・サーキットのポールポジションからターン1までの距離は、カレンダー最長の768mに達する。メキシコGPでは例年、スリップストリームを得た後続車両がターン1に向けてポールシッターを強襲する傾向がある。
しかしながら、2番手と3番手からスタートするフェルスタッペンとノリスはともに、タイトル争いの真っ只中にいるため、過度なリスクは冒せない。
自信がある、とサインツ
他を圧倒する見事なラップで今季初のポールポジションを獲得したサインツは、レースへの展望を問われると「比較的自信がある。明日のレースペースは良いはずだからね」と語った。
「おそらく最大の難関はターン1に向けてのロングランだと思う。ポールからのスタートは後続にスリップストリームを許すことになるけど、ポジションを守ることは可能だと思う。明日はそれを目指すことになる」
「ポールからスタートする場合、最も重要なのは、0-100を確実にこなすこと、つまり、兎に角、良いスタートを切ることだ。そこから先はもちろん、全力でディフェンスする」
「ターン1に向けては面白いレースになりそうだ。後ろの二人はタイトル争いを繰り広げているしね。そういう意味で僕には失うものが少ないし、トップをキープできるよう頑張るよ」
失うものがないという観点で言えば、4番グリッドのシャルル・ルクレールの存在も要注意だ。1周目を終えてフェラーリが1-2体制を築く可能性もゼロではないだろう。
メキシコGPにおける課題の1つは、高い標高がもたらす空気の密度の低さだ。
チームは市街地コース向けの高ダウンフォースパッケージを持ち込むものの、実際に発生するダウンフォース量は超高速のモンツァより低い。そのためグリップ力が低下し、タイヤがオーバーヒートする。
これはまた、冷却用の各種吸気口に流入する空気の絶対量が少なくなることを意味する。パワーユニットとブレーキは当然、過熱気味に振れる。
故に、通常のサーキット以上にクリーンエアーを受けて走ることが重要となる。前走車に接近して追従すると、前のクルマから高い温度の空気が流れ込むだけでなく、ダーティーエアーによりダウンフォースが更に低下する。これは同時に、冷却系への効率的なエアフローを阻害する。
こうした意味でラップリーダーのアドバンテージは大きい。
サインツは「スタートでは兎に角、トップをキープするために全力を尽くす。だってメキシコでは、クルマの冷却やタイヤなど、すべてにとってそれが本当に重要だからね」と指摘した。
奇跡は期待しない、とフェルスタッペン
4度目のメキシコ制覇に向けてフェルスタッペンは、エンジントラブルにより初日の走行時間を失った結果、「かなりのプレッシャー」が掛かる中で予選に臨んだものの、結果を残した。
最前列2番手についてフェルスタッペンは「信じられないような結果」であるとして、大いに満足した様子を見せたが、プラクティスでの周回数不足に触れて、レースに向けては「奇跡を期待してはいない」と語った。
「フェラーリはオースティンで本当に、本当に速かった。マクラーレンはそれほど強くはなかったかもしれないけど、レースでは競争力を見せた」
自身のQ3ラップについて「限界だった。あれ以上は速く走れなかった」としたノリスは、3番手という結果に満足しているとした上で、特に、週末を通してロングランを真っ当に消化したチームが一つもないことに言及し、不確定要素が多いと指摘した。
一方で、「フェラーリはここ数戦、予選でもロングランでも本当に調子が良い」として、「ペースの面で、彼らに勝てると自信を持って言うことはできない。今日が示すように、僕らは彼らのレベルには達していない」と語った。
2024年F1メキシコGP予選ではカルロス・サインツ(フェラーリ)がポールポジションを獲得。2番手にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手にランド・ノリス(マクラーレン)が続く結果となった。
決勝は日本時間10月27日(日)29時にフォーメーションラップが開始され、1周4,304mのエルマノス・ロドリゲス・サーキットを71周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。