F1オーストラリアGP、新型コロナの影響で3月の開催断念も延期の可能性否定せず
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新型コロナウイルスの影響を受け、F1と国際自動車連盟(FIA)、そしてオーストラリアGPコーポレーション(AGPC)は13日の共同声明の中で、オーストラリアGPを「キャンセル=中止する」と発表したが、実際には延期の可能性が残されているという。
現時点で具体的な議論は進んでいないようだが、現地11時30分過ぎから行われた会見の中でAGPCのアンドリュー・ウェストコット最高経営責任者は「”キャンセル”という言葉を使用したのは、タイミングが差し迫っていたからだ」と述べ、延期の可能性があるにも関わらず”意図的に”その言葉を選んだのだと主張した。なぜか?
ウェストコットCEOはその理由について、延期先の日程が決定していないにも関わらず”延期”という言葉を使うと、それが2時間後なのか翌日なのか明確に示せないため、現地ファンの誤解を生むリスクがあったと説明した。遅々として正式なアナウンスがないため、現地観戦ファンは朝早くからゲート前で開門を待ち続けていた。
「我々はチェイス・ケアリー(F1のCEO)やFIA、フォーミュラ1と協力してこの問題に取り組んでいる。今はまだ将来のステージングに関しては考えていないが、十分な時間が確保されればそれについて議論するのは一般的だ」とウェストコットCEOは続けた。
可能性があったとしても、実際にそのシナリオが現実になることはあるのだろうか? 最大の問題はアルバート・パーク・サーキットが常設コースではなく仮設コースだという点だろう。ウェストコットCEOは、イベント開催のために仮設されたインフラをそのままにしておくことは出来ないため、近日中に解体するとしている。
再び開催する場合、再度設営や撤去などの建設工事が必要となるだけでなく、公共空間を使って行われるだけに地元との再調整も求められる。地元メディアの報道では、新型コロナウイルスへの懸念から、当初より一部の地元住民がグランプリ開催に反対していたとも伝えられており、今年中の延期開催は理解を得る事が難しいように思われる。
なお次戦バーレーンGPに関しては中止・延期のいずれに関しても言及がなく、現時点では無観客レースとして予定通りに開催される見通しだが、現実には少なくとも第7戦モナコGPまでの全てのイベントの開催が危ぶまれている。
第8戦アゼルバイジャンまでレースは出来ないのでは?と問われたチェイス・ケアリーCEOは「状況は流動的だ」と繰り返し、明言を避けた。