2025年F1:日本GP含む開幕5戦のタイヤ配分が明らかに―ジェッダでの戦略に変化か

2025年のF1に供給されるピレリのソフト、ミディアム、ハード、インターミディエイト、ウェットの各タイヤ、2025年2月27日(木) F1プレシーズンテスト2日目(バーレーン・インターナショナル・サーキット)Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

F1公式タイヤサプライヤーを務めるピレリは、鈴鹿日本グランプリを含む2025年シーズンの開幕5戦に供給するタイヤコンパウンドを発表した。特に注目すべきは、第5戦サウジアラビアGPでの1段階ソフト寄りのタイヤ選択だ。

開幕オーストラリアGP、第2戦中国GP、第3戦日本GP、そして第4戦バーレーンGPには、昨年と同じコンパウンドが持ち込まれる。高速コーナーが多くタイヤへの負荷が大きい鈴鹿や、路面温度が高くタイヤの熱劣化が激しいバーレーンでは、最も硬いコンパウンドが使用される。

一方、サウジアラビアGPには2024年よりも1段階柔らかいレンジのコンパウンドが供給される。

  • ハード:C3(2024年はC2)
  • ミディアム:C4(2024年はC3)
  • ソフト:C5(2024年はC4)

この変更の背景について、ヘッド・オブ・カーレーシングとしてピレリF1の現場を統括するマリオ・イゾラは次のように説明した。

「昨年のデータと新コンパウンドの開発段階で得た情報をもとに、この決定を下した。2024年は20台中18台がC3(ミディアム)でスタートし、レース序盤のセーフティカー導入により14台がC2(ハード)に交換。そのまま最後まで走り切る1ストップ戦略が主流となった。今年はより柔らかいタイヤを採用することで、1ストップと2ストップの混在した戦略が生まれる可能性が高まる」

ジェッダ市街地コースは高速セクターが多く、路面も比較的新しいため、タイヤへの負荷は比較的軽いとされている。そのため、よりソフトなタイヤを選択することで、戦略の幅を広げ、レース展開をよりエキサイティングなものにする狙いがある。

今回のタイヤ選択により、サウジアラビアGPでは戦略の多様化が期待される。チームとドライバーがどのように対応するのか、レース当日の展開が注目される。

なお、2025年から導入される新コンパウンド「C6」は、シーズン序盤のレースでは使用されず、5月のモナコGPで初めて投入される見通しで、ラスベガスGPでも使用が見込まれる。

グランプリ C1 C2 C3 C4 C5 C6
オーストラリア
中国
日本
バーレーン
サウジアラビア

2025年シーズンのコンパウンドは昨年と全く同じというわけではない。オーバーヒートとグレイニングの低減を目的に変更が加えられ、C1とのグリップ差があまりなかったことから、C2はC3寄りに若干、ソフトに変更された。

C6の追加により、今季は製造されるコンパウンドが全6種類に増えた。接頭辞の「C」に続く数字が小さいほど硬いものとなる。各コンパウンドのパフォーマンス差は約0.5秒が目標値として設定されている。

サーキットの路面や気温などの特性・気象条件を考慮の上、ピレリは6種類のラインナップから週末に持ち込む3種類のドライタイヤを都度、決定する。硬い方から順に「ソフト」「ミディアム」「ハード」の名称が与えられる。

トレッド面に溝の入ったレインタイヤを含めて全5種類が持ち込まれる。ひと目見て識別できるよう、以下の様にサイドウォールに色ペイントが施される。

  • ソフト:赤色
  • ミディアム:黄色
  • ハード:白色
  • インターミディエイト:緑色
  • フルウェット:青色

F1オーストラリアGP特集

この記事をシェアする

関連記事

モバイルバージョンを終了