マクラーレンF1、エリック・ブーリエの更迭を発表…成績不振からの脱却目指し首脳陣を再編

2017年F1日本グランプリでのエリック・ブーリエcopyright Mclaren

マクラーレンF1チームは母国イギリスGP開催を直前に控えた2018年7月4日、レーシングディレクターのエリック・ブーリエ退任を発表。後任にジル・ド・フェランをスポーティングディレクターとして起用する事を明らかにした。事実上の更迭とみられる。

チーム首脳陣は昨年、ホンダとの決別によって表彰台争いが可能になると声高に主張していたが、ルノーエンジンを積んだ2018年型F1マシン「MCL33」のパフォーマンスは昨年と比較して大差なく、依然として不振に喘ぎ続けている。最後にF1のポディウムに上がったのは2014年の開幕オーストラリアGP。2013年以降は0勝と厳しい状況が続いている。

マクラーレンは先日の第9戦F1オーストリアGP終了時点で両ドライバー合わせて計4度のリタイヤと信頼性不足を露呈、コンストラクターズ選手権6位に甘んじている。ツキに恵まれた事もあり序盤4戦まではコンスタントに入賞を続けていたが、第5戦スペイン以降は劣勢に立たされている。

ブーリエの退任と合わせてマクラーレンは、アンドレア・ステラのパフォーマンス・ディレクター就任及び、サイモン・ロバーツCOOが製造・エンジニアリング及びロジスティクスの責任者を務める事等を合わせて発表した。ザク・ブラウンCEOはチーム首脳陣の再編の理由について、成績不振を認めた上で、その原因は構造的なものであるとの考えを示した。

「2018年のMCL33のパフォーマンスは、我々やファンの期待に応えるものとはなっていない。これは献身的に仕事に従事してくれている何百人もの従業員の責任ではない。原因は構造的なものであり、内部機構を大きく変革する事が必要だ」

ブーリエは第二期マクラーレン・ホンダ誕生に先立って2014年にロータスから移籍。苦渋の3年間をホンダと共に過ごした。「4年間に渡って、このような素晴らしいチームで働けたことを心から誇りに思う」とブーリエ。「退くには今が最適な時期だとの考えに至った。マクラーレンの今後の幸運を願っている」

チーム首脳陣への風当たりが強まる中、6月末のフランスGP開催直前には内紛疑惑が浮上。英国メディアがマクラーレンの職場環境の悪質さを訴える内部告発記事を掲載した。批判の矛先はブーリエに集中、予選ではフェルナンド・アロンソとストフェル・バンドーンが揃ってQ1敗退を喫しファンからの不満が爆発していた。

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