アストンマーチン、F1中国GP予選結果に異議申立…クラッシュのサインツを巡り
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アストンマーチンF1チームが4月20日(土)に上海インターナショナル・サーキットで行われたF1中国GPの予選結果に意義を申し立てた。
スチュワードはこれを受け、スクーデリア・フェラーリを含む関係チームの代表者を召喚。上海現地18時より聴聞会を行う通達を出した。
ヴィタントニオ・リウッツィを含む4名の競技審判団は詳細を明らかにしていないが、アストンが抗議の根拠としているのがF1競技規定第39条6項である事から、カルロス・サインツの一件と考えられる。
同項は「予選セッションまたはスプリント予選中にコース上で停止したドライバーは、それ以上、そのセッションに参加することはできない」と定めている。
サインツはQ2の計測ラップの最終コーナーで外側のグラベルにホイールを落とし、コントロールを失ってスピン。右フロントからイン側のウォールに衝突した。
フロントウイングを失ったもののサインツはその後、自走してガレージへと戻り、メカニックによる修復作業を経て再びセッションに合流。セルジオ・ペレスに次ぐ3番手タイムでQ3進出し、7番グリッドを持ち帰った。
仮にサインツがクラッシュ以降のセッションへの参加を禁止されていれば、アストンは利益を得ていただろう。
ランス・ストロールは、10番手通過を果たしたバルテリ・ボッタス(ザウバー)に0.069秒及ばず11番手で姿を消した。サインツがいなければQ3に進んでいた可能性がある。
ポイントとなるのは規定の「停止(原文:stop)」の解釈だろう。サインツは確かにコース上でクルマを”一時的”に停めたが、その後、外部の手を借りずに走行してガレージに戻っており、”永続的”に停止したわけではない。
仮にアストンの抗議が認められれば、以降はスピンやコースアウトで一時的に停止しただけで、以降のセッションへの参加が禁止される事になる。
ただ、同項はそもそも、マーシャルや回収車両の支援を受けてセッションに復帰することを禁止する事を目的として規定されたものと考えられる。
スチュワードがどのような判断を下すのか興味深いところだ。