新生ガブリエル・ボルトレート、2025年F1デビューが決定!ザウバー/アウディと複数年契約
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アウディとザウバー・モータースポーツAGは2024年11月6日、FIA-F2選手権で現在、チャンピオンシップをリードするガブリエル・ボルトレート(Gabriel Bortoleto)との複数年契約を発表した。
20歳のブラジル人ドライバーは、少なくとも2025年と、ザウバーがアウディのワークスチームとして再出発する2026年の2シーズンに渡ってニコ・ヒュルケンベルグとタッグを組む。
フルタイムのブラジル人F1ドライバーとしては、2017年に引退したフェリペ・マッサ以来となる。
2025年のF1グリッドには、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)、ジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)、オリバー・ベアマン(ハース)、そしてボルトレートと、4人のルーキーが並ぶことになる。
ボルトレート契約の経緯
今季のレギュラードライバーを務めるバルテリ・ボッタスと周冠宇はともにチームを去る。ボルトレートは、キャリア通算10勝を誇るフィンランドのベテランとのシート争いを制した格好だ。
アンドレアス・ザイドルを含む旧上層部は、ボッタスとの契約更新に興味を示していなかったが、元フェラーリ代表のマッティア・ビノットが代わってプロジェクトリーダーに就任すると一転、継続性という観点から現職のボッタスが最有力候補に浮上した。
しかしながら、アウディのファクトリーチームとなる2026年以降を含めた長期的な観点から、将来性が見込まれる若手ドライバーの起用が本格的に検討されるに至った。
チームはフランコ・コラピントの獲得に向けてウィリアムズと話し合いを進めたが、ウィリアムズのジェームズ・ヴァウルズ代表はレンタル移籍にこだわった。一方でザウバー/アウディ側は直接契約を求めたため、合意に至ることはなかった。
ボルトレートと育成契約を結ぶマクラーレンは、ランド・ノリス及びオスカー・ピアストリと長期契約を結んでいるため、短期的にボルトレートにF1シートを用意することができないため、手放す用意があることを明らかにしていた。
ザウバーのCOO兼CTOを務めるマッティア・ビノットは、「ガブリエルは既に、ジュニアカテゴリーで勝てるドライバーであることを証明している」と語った。
「彼をザウバーおよびアウディの一員として迎え入れられることを本当に嬉しく思う。ガブリエルと共に我々は、アウディとしての新時代を築く強力なチームへと成長し、成功への道を歩んでいくつもりだ」
「ニコとガブリエルの組み合わせは、経験と若さという点で理想的だ。我々は将来に向けて強力な体制を整えることになる」
頂点を目指す、とボルトレート
ザウバーはこれまでに、キミ・ライコネンやフェリペ・マッサ、ロバート・クビサやセルジオ・ペレスなど、後のトップドライバーを数多く発掘・育成してきた伝統を持つ。
ボルトレートは、「経験豊富なニコと共に働ける機会を与えてくれたチームに感謝している。アウディとザウバーは若手ドライバーの育成で実績を持っている。共に成功の歴史を刻んでいけると確信している」と語った。
「モータースポーツ界、いやスポーツ界全体でも最もエキサイティングなプロジェクトの一つに参加し、豊かな歴史を誇るザウバーとアウディというチームの一員になれることを本当に光栄に思う」
「単にチームに加わるだけでなく、この挑戦的なプロジェクトと共に成長し、モータースポーツの頂点を目指したい」
完璧なキャリア
ボルトレートの経歴はF1デビューに申し分ないほど完璧だ。
2012年にカートを始めたボルトレートは、2020年にイタリアF4でシングルシーター・デビューを果たし、欧州フォーミュラ・リージョナル選手権を経て2022年に、2度のF1王者フェルナンド・アロンソが運営するドライバーマネジメント会社「A14マネジメント」と契約した。
2023年にトライデントからFIA-F3選手権に参戦すると、優勝2回、表彰台6回を獲得。デビューイヤーにチャンピオンに輝き、元F1ドライバーのルカ・バドエルの息子、ブランド・バドエルとともに、マクラーレンのドライバー育成プログラムに加わった。
今年はF2にステップアップし、最終2戦4レースを前に、レッドブル育成傘下のアイザック・ハジャーに4.5ポイント差をつけランキング首位に立っており、2年連続でF1直下のジュニア・カテゴリーを制する勢いだ。
3度のF1王者、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はサンパウロGPに先立ち、「もし僕がザウバーの立場なら、すでに彼と契約しているだろうね」と語り、ボルトレートを高く評価した。