“腹立たしい”ほど遅いフェラーリSF1000…昨季マシンのパーツを流用しちゃえば?

2020年F1ベルギーGP決勝レースを前にグリッド上でエンジニアと話をするスクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテルcopyright Ferrari S.p.A.

前年にドライバー及びコンストラクターの両選手権でタイトルを獲得しながらも、ジル・ビルヌーブとジョディー・シェクターの2人合わせて僅か8ポイントしか稼げず、コンストラクター10位に終わった1980年シーズンを思えば、今のスクーデリア・フェラーリは決して史上最悪の状況ではない。だが、その惨状は目に余りある。

フェラーリがポール・トゥ・ウインでスパを完全制覇したのは僅か12ヶ月前の事だが、Q1ダブル敗退の危機を乗り越えて8月30日(日)のレースに挑んだセバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレールに奇跡は起きなかった。

両者は13-14番グリッドからスタートし、同じ13-14位でフィニッシュした。ただ、入賞圏内確実と見られたカルロス・サインツ(マクラーレン)がエンジントラブルで未出走であったため、順位不動はポジションダウンを意味する。跳馬の2人を抜き去ったのは一昨年までマラネロに籍を置いていたキミ・ライコネンだった。マッティア・ビノット代表はレース後、自分たちはファン同様に「腹立たしく、失望している」と語った。

カスタマーチームでステアリングを握るかつてのチームメイトにケメルストレートで追い抜かれたベッテルはレース後、「2台であらゆる事をやり尽くしたけど、単純に遅すぎた。同じ状況が繰り返さないことを願うよ。他のコースと比べて、スパは僕らの弱点が露呈しやすかっただけかもしれないしね」と語った。


スクーデリア・フェラーリのマッティア・ビノット代表、2020年F1ベルギーGPにて

これほど遅いのであれば、コンストラクター2位をもたらした昨季型「SF90」にロールバックしてしまえば?と思うところだが、マッティア・ビノット代表は「クルマは(昨年型と比べて)全く異なる。それにマシンは自体はプラグ・アンド・プレイではない。一方から取り外して、それをもう一方に装着できるようなものではないから不可能だ」と述べ除外した。

ビノット自身が認めている通り、燃料流量に関する昨年末の技術指令書以降、フェラーリのF1パワーユニット(PU)は性能を大きく落とした。だが、過去6戦では優勝争いに絡む事はなくとも、同士討ちを喫した第2戦シュタイヤーマルクGPを除いて少なくとも1台は入賞圏内でフィニッシュしており、スパでの不振の原因がPUだけでない事は明らかだった。では、一体何が劇的なパフォーマンス不足を生み出したのか?

ビノットは、パワー不足と空力効率の悪さの両方が原因だと語ったが、他にも未知の理由があるとの認識を示した。

「スパはエアロ効率だけでなく、パワーも重要なサーキットだ。今シーズン用に開発したマシンは確かにドラッグ(空気抵抗)が大きい。シャルルとセバスチャンは昨日の予選でも今日の決勝でもベストを尽くしたが、ポイント圏内に入ることすらできなかった」

「パワーとエアロ効率が第一の原因だが、それだけでは今週末のパフォーマンスを十分に説明できない。なぜなら、カスタマーチームと我々とのパフォーマンス分布が予想していたものとは異なっているからだ」

「そのため、現時点では我々が理解できていない何かがあるのだと思う」

かつてテクニカル・ディレクターとしてフェラーリを牽引したロス・ブラウンは、スパでのフェラーリの惨状を「おぞましい」と表現し、来季のフェラーリ移籍が決まっているカルロス・サインツは「不安にかられているだろう」と述べてる。

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