ハミルトン、レッドブル・ホンダに白旗…逆転断念「状況は悪化…優勝あり得ない」
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F1第9戦オーストリアGP公式予選を4番手で終えたメルセデスのルイス・ハミルトンは、先週末のシュタイアーマルクGPの時よりも状況は悪化しており、決勝ではマックス・フェルスタッペンが楽勝でポール・トゥ・ウインを果すはずだとして逆転勝利を諦めた。
メルセデスはフェルスタッペンのみならず、ランド・ノリスとセルジオ・ペレスにすら先行を許してしまい、ハミルトンは4番手、チームメイトのバルテリ・ボッタスも5番手に留まった。フェルスタッペンからはコンマ3秒落ちと、ポール争いからは完全に蚊帳の外に置かれた。
ハミルトンはSky Sportsとのインタビューの中で、メルセデスの状況は「先週よりも更に困難で、依然としてペースが不足している」として「純粋なペースで考えれば優勝は絶対にあり得ない」と白旗を振った。
「クルマからより多くのパフォーマンスを引き出そうと、あらゆることを試したけど根本的にペースが不足している。それが今の僕らの状況だ」
「マクラーレンがアップグレードを持ち込んだのかどうかは知らないけど、今日の彼らはメガ・クイックだった。僕らとしては兎に角、改善を続けるほかにない」
ハミルトンは更に、自分達とフェルスタッペンとの間にはペレスとノリスという2台のマシンが割って入っているとして「マックスにとってはイージー・クルーズ・ウィンと言えるだろう」と付け加えた。
優勝こそ諦めているものの、2年の契約更新にサインしたばかりの王者はチャンピオンシップを諦めたわけではない。如何にダメージを最小限に抑えるか。そのためにはペレスを交わせるかどうかが大きな鍵となる。
「僕らにとって重要な事は、少なくともペレスの前に出ることができるかどうかを検討して、今週末のダメージを抑えられるように頑張る事だ」
一方のボッタスは「先週より若干後退したかもしれない。もしくは他のクルマが僕らより大きく改善したのかも」とした上で、今のW12は本来あるべき状態と比較して「コンマ1・2秒不足している」と指摘した。
またマクラーレンの驚異的な予選ペースについては、先週末のイベントで供給されなかったC5コンパウンドが有利に働いた可能性があるとした。
なおトラックサイド・エンジニアリング部門を率いるアンドリュー・ショブリンは、50度以上に達した路面温度に触れて「ソフトタイヤを正しい作動温度領域に入れ込めたのかどうかを検討する必要がある」と指摘。決勝に向けては「課題が山積」とした上で、2台揃ってのミディアムスタートを上手く生かして先頭争いに加わっていきたいと付け加えた。
チームはコンストラクターズ選手権でレッドブル・ホンダに40点のリードを許し、ハミルトンはドライバーズ選手権でフェルスタッペンに18ポイント遅れているが、日曜のレースが赤旗や突然の降雨などの波乱なくチェッカーフラッグを迎える場合、ギャップ拡大は避けられそうにない。
2021年 F1オーストリアグランプリ決勝レースは、日本時間7月4日(日)22時にスタート。1周4326mのレッドブル・リンクを71周(306.452km)する事でチャンピオンシップを争う。