F1王者のアロンソとハミルトン「凄まじく退屈でつまらないレース」とモナコGPを批判
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マクラーレンのフェルナンド・アロンソは「凄まじく退屈なレースだった」と今年のF1モナコGPを一蹴。トラック上のアクションに乏しかった78周のレースを批判した。
5月27日に開催された2018年第6戦F1モナコGPは、タイヤマネジメントとトラックポジション重視の戦略がレースの見どころとなったため、絵面的にはマシンがコースをぐるぐる回り続けるだけの単調なものであった。
7番グリッドからスタートしたアロンソは53周目にギアボックスのトラブルによりリタイヤ。レースを振り返って次のように述べた。
「本当に退屈なレースだった。これまでに経験した中で最もつまらないレースだ。イエローフラッグやセーフティカーも殆どなく、7番手でクルージングしているだけだった。今季初のリタイアには当然がっかりさ。パワーを失った後、ギアが5速にスタックしてしまったんだ。7位はほぼ間違いなかったわけだから痛いね」
2度のF1ワールドチャンピオンの辛辣な意見に対し、4度タイトルを獲得したメルセデスのルイス・ハミルトンもこれに同意する。ハミルトンは3番グリッドからスタートし、ポジションそのまま3位でフィニッシュした。
「6周目以降はだらだら走ってるだけだった。文字通りのクルージングだね。レースとは言い難いものだった。モナコの雰囲気は最高なのに、レースそのものがそれに見合う位にエキサイティングじゃないのは残念だよ」
モンテカルロ市街地コースはその特性故に、時折単調なレース展開になることがある。コース幅が狭いためオーバーテイクが難しく、接触事故などのアクシデントがなければ順位変動も多くはない。
今年のレースが例年以上に単調となったのには幾つかの要因がある。1つには「タイヤマネジメント」だろう。デグラデーションが大きいハイパーソフトを無理やり保たせようとしたため、ドライバーは他車とのホイール・トゥ・ホイールのバトルではなく、タイヤのケアに専念する事となった。
2つ目には先頭を走っていたダニエル・リカルドのマシントラブルだ。MGU-Kのトラブルのために25%のパワーを失ったため、蓋をされる形で後続のマシンはかなり遅いペースでの走行を強いられた。その結果、限界まで攻めるシーンが減りクラッシュなどのアクシデントが減少する一因となった。
3つ目にはワイドアンドロー化したマシンサイズだ。昨年より幅広のフォルムを与えられたF1マシンにとって、ただでさえ狭いモンテカルロはより一層狭くなった。この事がオーバーテイクチャンスを奪った事は想像に難くない。
F1はオーバーテイクの機会向上のために来季レギュレーションを変更。追い抜きの阻害要因となる乱気流を減少させるべく、来シーズンは前後ウイングに複雑なエアロパーツを装着する事を禁止する。