ダニエル・リカルド、大一番のレースで角田裕毅頼みに「僕が貢献できれば良かったんだけど…」
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ダニエル・リカルドはアルファタウリ復帰初年度を最高の形で締め括る事ができなかった。予選では、恐らくはセットアップと見られる原因不明の失速に見舞われQ2敗退を喫し、レースでは捨てバイザーがブレーキダクトに詰まるアクシデントに見舞われ、戦略の変更を強いられた。
ポイント獲得まで僅か0.597秒の11位でフィニッシュした11月26日のF1最終第23戦アブダビGPを終えてリカルドは「ペース的には悪いレースじゃなかったんだけどね」と振り返った。
「少しでもダーティーエアーを受けると途端に厳しくなるんだ。レースだから常にコースを独り占めできるわけじゃないけど、コースを独り占めできた時はいい感じだった!」
「メキシコ、ブラジルのスプリント、それに今日も! あと1周あればもう少しポイントを獲得できたかもって感じだった。惜しかった。あと一歩だった」
「でも、そもそも昨日の段階で出遅れてしまったから、今日は後方からのスタートだった。これに関しては昨日の夜に見直してみた」
「いくつかの点について学ぶものがあったと思うけど、まだもう少し掘り下げる必要があると思う。数日後にここでテストがあるから、実際にクルマでの作業を通して少し探れるかもしれないね」
7点差でリードするウィリアムズに打ち勝ち、逆転のコンストラクターズ選手権7位を達成するには、角田裕毅が6位以上でフィニッシュするか、角田裕毅7位、リカルド9位という結果が必要(ウィリアムズが無得点の場合)だった。
角田裕毅は8位フィニッシュで4点を持ち帰ったが、リカルドはノーポイントに終わり、結果としては惜しくも3点足らず、アルファタウリは望んでいた結果を掴むことができなかった。
「でもまぁ接戦だった。ウィリアムズに対して迫れたのは間違いない。でも届かなかった。ユーキが数ポイントを獲ってくれたけど、僕らにはもう少し必要だった」とリカルドは語る。
「うーん、だから…僕が貢献できればよかったんだけど。でもさっきも言ったように、残念ながら15番手スタートはね。厳しかった」
F1サーカスは火曜にヤス・マリーナ・サーキットで行われるポストシーズンテストを以てオフシーズンに突入する。
リカルドにとって今年の冬は、マクラーレンの契約を失い、シートがない状態で過ごした1年前とは全く違うものとなる。
「でもまぁ兎に角、次のフルシーズンに向けた準備のために休めるのは嬉しい部分もあるんだ」とリカルドは語る。
「休まずにこのままレースを続けていたいとは思う気持ちはあるんだけどね! (契約がある状態で)オフシーズンを過ごせるのは嬉しいし、ここにいたい、やりたいって言う気持ちを感じていて、そう、いい感じなんだ! だから来年に向けて気分良く休めるよ」
本来であれば今年は12レースに出場する予定であったが、オランダGPでの不運なクラッシュにより骨折したため、5レースの欠場を強いられた。
今シーズンについてリカルドは「数レースしか走れなかったけど、それでも満足してるんだ」と振り返る。
「(予選より)レースペースの方が…満足できるかな。多分ね。予選の方は、そうだね、、幾つかは良かったけど、幾つかについてはあまり満足できなかった」
「だから1ラップペースに関しては、まだ少し探ってみる必要があると思う。でもレースのリズムにも慣れてきたし、クルマのフィーリングや理解度には満足している」
リカルドのレースエンジニアを務めるピエール・ハムリンにとっても激動の一年だった。最初の半年はニック・デ・フリースと共に仕事をし、ようやく慣れてきたと思ったらリカルドに交代となり、その僅か3レース後にはリアム・ローソンと急遽タッグを組む事となった。
「他にはそうだな…ピエール! 僕のエンジニアね。いや、今年は色んなドライバーのエンジニアをやる事になったから、彼にとってもクレイジーなシーズンだったと思うんだよ」とリカルド。
「だから2024年に向けて一貫性を保つことは、チームとして、グループとして、前進していくための助けになるはずだ。少し休みが取れるから彼もホッとしてるんじゃないかな」
「それとフランツにもエールを送らなきゃね。彼はずっとチームの大黒柱だった。当然、僕にとってはキャリアの初期に大きな役割を果たしてくれた人だ。この数戦もそうだね! だから彼の今後の幸せを祈ってる」
「彼がいなくなるとチームにポッカリ穴が開くだろうね。そうそう、今日もみんなで彼に敬意を表してお祝いをするんだ!」
「兎に角、レースをするぞ!って感じの人で、それが彼のやりたい事の全てなんだ。だから、そうだね…彼がここで楽しんだのと同じように、サーキットを離れても楽しくやってほしい!」
11月26日(日)にヤス・マリーナ・サーキットで行われた2023年F1第23戦アブダビGP決勝レースでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインを以て今季19勝目を挙げ、記録ずくめの支配的なシーズンを締め括った。
ポストシーズン・テストと、プレシーズン・テストを経て、2024年シーズンは97日後にバーレーンで開幕を迎える。