フェルスタッペン「エンジンが…」トラブルに阻まれた”ペレス支援計画”を明かす
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順位を明け渡せとのチームオーダーをマックス・フェルスタッペンが拒否したサンパウロGPから1週間。レッドブルは今季最終アブダビGPの予選でフェルスタッペンにセルジオ・ペレスを牽引させる計画を立てていた。
だがQ3の1回目のランで「ちょっとした混乱」が起きてしまい、ペレスはチームメイトからのスリップストリームを得られない状況で計測ラップに向かう事となった。
今季7回目のポールポジションを獲得した19日(土)のグリッド争いを経てフェルスタッペンは「勿論、チェコ(ペレス)の前でコースに出ていくつもりだったんだけど、エンジンをかけようとしたらシャットダウンしちゃったんだ」と説明した。
再起動したところ、RBPTのバッジが付いたホンダF1パワーユニットは唸り声を上げて動き出し、フェルスタッペンは計画に添って2回目のラップではペレスの前を走行。ストレート区間でチームメイトを引っ張りゲインを与えた。
予選でのチームプランについてフェルスタッペンは「週末に向けてチェコに選択を委ねたんだ。『先に行くか、それとも後から行くか、どっちが良い』ってね」と明かした。
「彼は後から出る方を選んだ。それで、そのつもりで予選に臨んだんだけどエンジンがね…あれで全てが狂っちゃったんだ。おかげで1本目は上手くいかなかったけど、2本目が上手くいって良かったよ」
フェルスタッペンのサポートについて2番グリッドを手にしたペレスは「確かに効いたね。今日はチームとして本当に上手くやったと思う」と語った。
「特にセクター2で効果が感じられた。ゲインがあった。セクター3では若干失ったけど、概して言えば確かにプラスに働いたと思う」
興味深いのは従来型のマシンの場合、引っ張る方は2本のロングストレートの終端地点、ターン9の前で後続車に前を譲らなければならなかったという点だ。90度コーナーが続くセクター3では前走車の後ろにつくとダウンフォースが失われタイムを落としてしまう。
だが、後方乱気流が抑制された新型グランドエフェクトカーでその必要はなかった。実際ペレスはトウを得たQ3の最終ラップでそのまま最後までフェルスタッペンの後方を走り続けた。
フェルスタッペンは「2台揃ってフロントローにつけて本当に良かったよ。もちろんレースに勝ちたいと思ってるけど、同時にチェコと一緒にチャンピオンシップを2位で終えたいとも思っているからね。だから明日に向けて、間違いなく最高のスタートが切れたと思う」と付け加えた。
最終的には後続に0.228秒差をつけてポールを手にしたものの、Q2ではリアのグリップ不足に苦しむ場面があった。それはトップからコンマ2秒落ちの4番手だった事に表れている。何が起きていたのか?
フェルスタッペンは「Q1は良かったんだけど、その後のQ2で新しいタイヤセットを履いたところ、酷いリア・リミテッドみたいになっちゃってね」と説明した。
「でもQ3で新品タイヤを履いたらスッキリ解消されていたんだ。ちょっとしたミステリーだね」
イニシャルセットアップが決まり、RB18は週末の出だしから好調で、2台揃って予選上位につけたことでレッドブルは決勝に向けて戦略的な柔軟性をも手にする事となった。
決勝に向けてフェルスタッペンは「兎に角、タイヤに気を配ることだね。明日はそれが鍵になるはずだ」と語った。
2022年F1アブダビGP予選ではマックス・フェルスタッペンがポールポジションを獲得。2番手にセルジオ・ペレスが続いた事でレッドブルが最前列を独占する結果となった。
アブダビGPの決勝レースは日本時間11月20日(日)22時にフォーメーションラップ開始の時を迎える。1周5,281mのヤス・マリーナ・サーキットを58周する事でチャンピオンシップを争う。