フェルスタッペン、吉か凶か…上位勢唯一のハードタイヤ「鍵はスタート」F1-70周年記念GP《予選》2020

予選を終えて歩いてガレージへと戻るレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2020年70周年記念GPにてcopyright Red Bull Content Pool

Q2を唯一、ハードタイヤで突破したレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、8月9日のシルバーストンでの第2レースを4番グリッドからスタートする。ハードタイヤでのスタートは、果たして吉と出るか凶と出るか。

F1-70周年記念GPのスターティンググリッド争いでフェルスタッペンは、ライバルとは異なる戦略に打って出るためにQ2をハードタイヤで通過した。一種のギャンブルを成功させて最終ラウンドに駒を進めたまでは良かったが、スーパーサブ、ニコ・ヒュルケンベルグ(レーシングポイント)の渾身の走りの前に1000分の94秒届かず4番手に甘んじた。

セッションを振り返ったフェルスタッペンは「4番手は完璧とは言えない結果だけど、それだけ上位の連中が良い仕事をしたって事さ」と語る一方で、「風向きが変化した事で、Q3では若干バランスが崩れてしまい、かなり難しい状況を強いられた」とも説明した。

“F1イギリスGP”との名目で行われた先週末のシルバーストンでのレースでフェルスタッペンは、1発の速さで劣りながらも決勝では運に助けられ2位を獲得した。上位に並ぶメルセデス勢やヒュルケンベルグらとのタイヤ戦略の違いが、フェルスタッペンの3戦連続2位表彰台、あるいは今季初優勝を後押しする可能性はあるのだろうか?

今回持ち込まれた3種類のコンパウンドは先週末よりも一段階柔らかい。公式タイヤサプライヤーのピレリは、ミディアムスタートの場合は2ストップが主流と予想するが、どんな状況であれ常に勝利を目指すレッドブル・ホンダが博打の1ストップを選択しないとは言い切れない。

フェルスタッペン不在で行われた予選後のプレスカンファレンスでは、ハードタイヤでのスタートを選んだフェルスタッペンに関する質問が飛んだ。

ポールシッターのバルテリ・ボッタスは、メルセデス内ではハードをスタートタイヤとする議論はなかったと明かしながらも「先週末のミディアムと同一である今週末のハードは良いレースタイヤだと思う。上位10台の中では最も長く走れるコンパウンドだしね。レーススタート時に多少遅れる可能性はあるけど、その分耐久性が高く、オーバーヒートも少ない」と語った。

2番手のルイス・ハミルトンは「良いんじゃないかな。展開に幅が出るし、より興味深いレースになると思う」と述べ、3番手のヒュルケンベルグは「ハードはここでかなり良いパフォーマンスを発揮しているし、彼にとって悪い選択肢ではないと思う。もし列車に乗り遅れる事がなければ、最終的に良い結果につながるかも」と語り、スタートの出来が勝負を分けるとの考えを示した。

フェルスタッペン自身も、成否はオープニングラップに懸かってくると考えている。

「僕らはメルセデス程の予選モードがない分だけ、大抵の場合はレースペースの方が競争力がある。クリーンなスタートが出来る事を祈るよ。他のトップ10の連中が履いているコンパウンドと比べても、ハードはさほど悪くはないと思う」とフェルスタッペン。

「もちろん、最初の蹴り出しの時に若干損をするかもしれないけど、最初のスティントは良いはずだ。当然、セーフティーカーの有無にも依るから、様子を見る他ないけど」

「(ミディアムがスタートタイヤだった)先週末のレースでは、周りがソフトを履いていたにも関わらず良好だったから、今回も同じように上手くスタートが切れるように頑張るだけさ。本音を言えば、後続とのトラブルはあまり心配していない」

「目標はポディウムに上がることだ。それと、ニコ(ヒュルケンベルグ)が速さを見せるチャンスを与えられて僕も嬉しく思う」


2020年 F1-70周年記念グランプリ決勝レースは、日本時間8月9日(日)22時10分にスタート。1周5,891mのシルバーストン・サーキットを52周する事でチャンピオンシップを争う。

F1-70周年記念GP特集

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