【F1】パワーユニット戦略とか調整って言うけど、一体どういう事?copyright mercedesamgf1.com

【F1】パワーユニット戦略とか調整って言うけど、一体どういう事?

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「パワーマネジメントが…」「パワーユニットの調整が上手くいっていない」「パワーユニット戦略が重要なので…」何かの呪文であるかの如く、ホンダ等のF1エンジンサプライヤーは毎戦のようにこう語る。パワーユニットの調整とか戦略と言われると、何となく分かる様な気はするものの、いまいちピンとこない。コースに応じてパワーユニットを調整するというのは一体どういうことなのだろうか?

F1初心者向けに、伝統のF1モナコGPを例として取り上げながら、パワーユニット戦略と呼ばれるものの実態に迫ってみよう。

F1モナコGPでエンジンに求められるもの

カレンダー随一の低速サーキットであるモンテカルロ市街地コース。F1モナコGPの舞台は、1周あたりのエンジン全開率が61%、2016年の全サーキットでの平均が50%であることを考えると、意外にも高めの数値である。他とは様相の異なるモナコでは、パワーユニットに求められるものも変わってくる。

ルノーのエンジン技術主任を務めるレミ・タフィンによれば、F1モナコGPで重要なのは”エンジン出力が一貫している事”だと言う。

レミ・タフィン
©renaultsport.com

「モナコでは一貫性が必要とされます。モナコでのパワーユニットの仕事は、エネルギー回生戦略を重視しすぎることなく、ドライバーに対して一貫したパワー・デリバリーを提供する事なのです。ここはドライバーにとって非常に忙しいコースですからね」とタフィン。コース幅が極めて狭いモナコでは、ドライバーは一瞬たりとも気を抜くことが出来ず、ステアリング操作も忙しい。燃費的にはあまり問題がないため、デプロイメントが不足する心配は不要である。エネルギー回生戦略はドライバビリティに影響を与える。

ドライバーからすれば、アクセルの踏み込み量と加速度は比例していて欲しいものだ。一定の力でアクセルを践んでいるのに、突然加速度が上がってしまったりすれば、操作性=ドライバビリティに悪影響を与える。ドライバビリティの悪いパワーユニットは、ドライバーに要らぬ気を使わせてしまうし、ドライビングそのものに集中できなくなってしまう。シビアなステアリング操作が要求されるモナコ等のコースにおいては致命的である。

歴史的には、モナコはエンジンに対して厳しいサーキットである。これはバンプ=路面上の凹凸が大きく、高いエンジン回転数を維持する必要があったからだ。最大回転数が15,000rpmに抑えられている14年以降のパワーユニット時代においては、エンジン回転数の問題よりもバンプの問題の方が重要なウエイトを占めていると言う。「我々はバンプを起因とするあらゆる問題に取り組んでいます。最新世代のエンジンは回転数が低めですしトルク曲線も異なります。そのため、これらの領域については以前ほど重大な問題とはなっていません」

パワーユニット戦略で考慮すべき事柄

F1エンジンのスペシャリストであるタフィンの発言をまとめると、パワーユニットのセッティングで考慮すべき事項は、主に以下の3つとなるようだ。

  • ドライバビリティ
  • トルク曲線
  • 回生エネルギー

モンツァやスパなどの燃費的に厳しいサーキットでは、多少ドライバビリティを犠牲にしたとしても、より多くの回生エネルギーが得られるようにPUを調整することになるであろう。また、ハンガロリンク等の中低速コーナーが主体のサーキットであれば、高速域のパワーを落としてでも中低速のパワーを確保することが大切になる。パワーユニットの調整・戦略と呼ばれるものは、大雑把に言えばこのような項目を考慮して、各パラメータを最適化することにあるのだ。

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