角田裕毅を非難するウォルフ、妨害厳罰化を主張…一方ハミルトンはQ2敗退の理由を別に求める
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メルセデスのトト・ウォルフ代表は8月26日(土)に行われたF1第14戦オランダ予選を経て、ルイス・ハミルトンのQ2敗退(13番手)の原因を作ったとして角田裕毅(アルファタウリ)を非難した。
Q2で角田裕毅は、計測ラップに向けて最終2コーナーでレーシングライン上を低速で走行。後方から迫るハミルトンはターン14を前にラインの変更を余儀なくされた。不必要な妨害があったとしてスチュワードは3グリッド降格ペナルティを科した。
裁定が発表される前、ハミルトンが0.084秒差で今季2度目のQ2敗退を喫した事についてメルセデスの指揮官は、角田裕毅に全面的な非があると非難した。
「全体としてはノリスに接近しすぎたということもあったかもしれないが、決定的な理由はあれではなかった。兎に角、妨害が大惨事を招いた」
「最速ラップの最終ストレートに向けてツノダに妨害されたために、ポジションが犠牲になってしまった」
ウォルフは、トラフィックさえなければ「週末を通して本当に良いペースを維持」していたハミルトンがQ3に進んだであろう事は間違いないとして、走行妨害は「見るに堪えない」ものだと指摘し、予選での他車への妨害に関して更なる抑止力が必要だと訴えた。
「そのために必要なのはペナルティだと思う。罰すること、ペナルティだ」とウォルフは主張する。
「税金をごまかしても刑務所に入れられないのであれば、脱税する人間がいなくなる事はない」
「ツノダは良いヤツだが、ルイスのクイックラップを邪魔した。彼はドライラインから動かなかった」
「そのためルイスはイン側に進路を変えた。たいしたロスにならないように見えるかもしれないが、ドライラインからウェットに、その後ドライに戻るにはコストがかかる」
「コンマ1秒あればルイスはQ3に進んでいたはずだ。だからペナルティの厳格化が必要だと思う。そうなれば誰もがまた、ミラーを見るようになるだろう」
ウォルフの主張とは裏腹にハミルトンは、W14とタイヤのウォームアップにQ2敗退の主な原因を求めた。
「今日は僕の日じゃなかった。FP1以降、クルマに対する自信を失ってしまい、予選は難しいものになった」とハミルトンは振り返る。
「タイヤを作動領域に入れるのが大変だった。バランスと全体的なグリップに苦労した」
「セッティングを変えたジョージ(ラッセル)の方は、幾らか上手くいったようだけど、このクルマのウインドウはそもそも狭い」
「最後のランでは2周連続して走ったけど、2ラップ目にはタイヤがオーバーヒートしていて、タイムを伸ばすことができなかった」
2023年F1オランダGP予選ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションを獲得。2番手にランド・ノリス(マクラーレン)、3番手にジョージ・ラッセル(メルセデス)が続く結果となった。角田裕毅(アルファタウリ)は3グリッド降格を受け17番グリッドに着く。
決勝レースは日本時間8月27日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4,307mのザントフォールト・サーキットを72周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。