アレックス・アルボンの欠点は「良い奴」過ぎる事、とウィリアムズCEO
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ウィリアムズ・レーシングのヨースト・カピートCEOは、今年レッドブルからチームへと加わったアレックス・アルボンの欠点は「良い奴」過ぎる点にあると考えているようだ。
26歳のタイ人ドライバーはトロロッソからレッドブルへの電撃昇格を果たした一方、シート喪失による浪人生活を経験するなど、キャリアを通じて逆境に揉まれながらも、度々パドックを唸らせる闘志溢れるパフォーマンスを見せてきた。
それはフランスまでの13戦でウィリアムズが重ねた全ポイントをアルボンが持ち帰っている事からも明らかで、グリッド最年長の重鎮、フェルナンド・アロンソに対して「馬鹿げている」と物申すなど、時にコース上で熱いファイティングスピリットを見せつける。
一方で近年のF1界の中では最も親しみやすく、グリッド上で最も”ナイスガイ”なドライバーの一人として知られる。
昨年は不振に喘ぐ角田裕毅(アルファタウリ)のコーチ役を引受け、舞台裏でマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のF1初タイトルを支えた。ウィリアムズのF1復帰が決まった事を受けフェルスタッペンは「素晴らしい男だし、ハードワーカーだし、間違いなくF1に相応しい才能溢れるドライバーだから、復帰してくれてホント、嬉しいよ」と語った。
アルボンについてヨースト・カピートはポール・リカールでの週末、「クルマに乗り込んでバイザーを下ろすと真のファイターに変貌するが、クルマの外では本当に良いヤツ」だとして「本当に感銘を受けている」と褒め称えた。
ただ、ウィリアムズがアルボンに求めているのは、上位争い復帰に向けてドライバーとして「これをすべき」と感じた事をエンジニアリングチームに説き、リードドライバーとしてチームを率いる役割であり、素行が良すぎて主張が弱くなってしまうのも困りものだ。レッドブル時代とは求められている役割が異なる。
ヨースト・カピートは「彼はナイスガイだし、本当に行儀が良い。そこで、クルマの外でももう少しファイターになれ、エンジニアと話す時はもう少し毅然としろ、と言って育てているんだ」と語った。
「ドライバーとエンジニアの関係がより緊密になるにつれて、この点も遥かに良くなってきていると思う。何にせよ、彼には本当に感銘を受けている」
アルボンもチームが自身に求めている役割を認識している。
「ドライバーとしてステップアップし、リーダーになり、もう少し声を出すべき時期だと感じてる」
「僕の仕事はこれまで以上に、チームのどこを改善すべきか、どうすればリーダーボードの上位に食い込めるかを指示することが重要なんだ」
「自分がチームにとって重要な役割を期待されているって事は認識してる。チームリーダーとしてマシン開発を支えていきたい」