ペレス苦境の一方で躍動する角田裕毅「レッドブルは難しい決断を迫られている」との指摘

角田裕毅(RBフォーミュラ1)、クリスチャン・ホーナー(レッドブル代表)、セルジオ・ペレス(レッドブル)、2024年Courtesy Of Red Bull Content Pool

F1エミリア・ロマーニャGP公式予選で突如、ポールポジション争いの一角に名乗りを上げるなど、角田裕毅(RB)がセンセーショナルな速さを見せた事を受け英AUTOSPORTは、2025年のレッドブルのF1シート争いに絡めて、その走りを高く評価した。

角田裕毅が3番手を刻んだ初日プラクティスでレッドブルは、フェルスタッペンをして7番手止まりと、ペースおよびマシンバランスに大苦戦。FP3を経てなお、予選開始ギリギリまで懸命に作業に取り組み続けなければならない事態に直面した。

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パルクフェルメでタオルを使って頭を拭くマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2024年5月18日(土) F1エミリア・ロマーニャGP予選

予選に臨むに際しても改善の手応えはなく、フェルスタッペンは「トップ5」に入れれば御の字とすら感じていたが、徐々に調子を取り戻し始め、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)の手助けもあって開幕7戦連続のポールポジションを獲得。見事、巻き返してみせた。

一方で同じRB20を駆るセルジオ・ペレスはFP3の終盤にクラッシュ。これによりフェルスタッペンは、ソフトタイヤを履いてのシミュレーションなしに予選に臨まなければならなくなった。

また予選でもペレスは精彩を欠き、アルタ・シケインで激しく縁石に乗り上げた結果、4輪が宙に浮き、11番手でQ2ノックアウトを喫した。

対照的に角田裕毅は4番手でQ1突破を果たすと、Q2ではフェルスタッペンとシャルル・ルクレール(フェラーリ)に次ぐ驚きの3番手を記録し、最終Q3に向けてポールポジション争いに名乗りを上げた。

Q3では1回目のフライング・ラップで自己ベストを更新するも、最終ラップは第2・3セクターで遅れを取り、自己ベストを塗り替えるには至らなかった。それでも僚友ダニエル・リカルドが9番手に留まる中、今季ベストの7番グリッドを持ち帰った。

予選後のインタビューに応じた角田裕毅は、好パフォーマンスを評価されるも笑みを浮かべることはなく、もっとやれたはずだと反省の弁を口にする一方、競争力あるクルマを作り上げたチームの努力にスポットライトを当てた。

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予選を経てパドックを歩く角田裕毅(ビザ・キャッシュアップRBフォーミュラ1)、2024年5月18日(土) F1エミリア・ロマーニャGP

AUTOSPORTのグランプリ・エディターを務めるアレックス・カリナウカスは「ツノダのイモラでのスピードは、ペレスの来季に関する決定を保留するというレッドブルのスタンスが正しいことを示している」と題した記事の中で、レッドブル・ドライバー、特にペレスと角田裕毅の最近の成績を通じてチームの苦悩を描いた。

ペレスについてカリナウカスは、第3戦オーストラリアGPに触れ「予選で不発に終わったために集団の中でレースをする事になった結果、ブレーキトラブルに見舞われたフェルスタッペンに代わって勝利を掴む事ができなかった」と記し、「チームは彼がシーズン初めの好調を維持できるかどうかを見極める事を決め、2023年初夏に直面したスランプを回避できるかどうかを見守っている」と記した。

そして「イモラにおけるペレスの様々な苦境は、確実に空いている唯一の2025年のシートを巡り、レッドブルが如何に厳しい決断を迫られているかを示している」「土曜日のイモラでの状況は、ペレスの残留を著しく困難にするものだ」と続けた。

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縁石に乗り上げすぎたために車体が完全に宙に浮いたセルジオ・ペレス(レッドブル)の11号車RB20、2024年5月18日F1第7戦エミリア・ロマーニャGP予選

また、プレシーズンの段階で2025年のレッドブルF1シート最有力候補と広く目されていたリカルドについては「クリスチャン・ホーナーはリカルドの復帰に前向きだったが、オーストラリア人ドライバーの一貫性のない成績がこれを複雑にしている」と指摘した。

ペレスとの契約を更新しない場合、仮に現フェラーリのカルロス・サインツが手に入るのであれば、サインツは角田裕毅やリカルドよりも「一歩先行」した存在との見方を示す一方、「エミリア・ロマーニャでのこれまでの調子を踏まえれば、ツノダは少なくとも、今季最高のクルマに乗るペレスの苦闘が際立つ程に残酷かつトリッキーなコースで素晴らしいパフォーマンスを発揮した事を振り返るべきだ」とエールを贈った。

F1エミリア・ロマーニャGP特集

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