日本含む3戦中止…2020年F1、残り7戦を埋めるのはどのグランプリ?

左からホッケンハイムリンク、バーレーン・インターナショナル・サーキット、ソチ・オートドローム

鈴鹿での日本GP、マリーナベイ市街地コースでのシンガポールGP、そしてバクー市街地コースでのアゼルバイジャンGPの3レースを失ってなおF1は、今シーズンに15~18戦を開催する意向を示している。現時点で改訂版カレンダーに掲載されているのはオーストリア、ハンガリー、イギリス、ベルギー、スペイン、イタリアでの8レース。最低でもあと7戦必要だ。有力な候補地はどこか?

期待が持てるグランプリ

BBCスポーツは12日(金)、メルセデスのテストコースとして建設された歴史を持つドイツ・ホッケンハイムリンクで2レースが行われるのは「ほぼ確実」と報じた。

ホッケンハイムリンクはF1の商業権を持つリバティ・メディアとの間で新たな条件での契約交渉に臨んでいたが合意には至らず、今シーズンのF1カレンダーからは脱落していた。だが、新型肺炎の影響で激減した収益を補うべく、開催中止に追い込まれたグランプリに代わって、カレンダーに介入する準備を進めている

レッドブル・リンクでのオーストリアGP開催計画承認の背景にレッドブルの尽力があったように、スクーデリア・フェラーリが所有するムジェロ・サーキットも、モンツァの1週間後に焦点を合わせてレース開催の準備を進めている。ピースが嵌まれば、スクーデリアにとっての1000回目の世界選手権レース出場の舞台を担う可能性がある。

リバティ・メディアとしては、開催権料を支払う用意がある会場での開催を最優先に、調整を進める事になる。真っ先に思い当たるのは、国家宣伝的役割を担っているアブダビ、バーレーン、中国、そしてロシアだ。いずれも2週連続開催を念頭に水面下での交渉が進められているものと見られる。

上手く行けば9月6日のモンツァ後に、F1サーカスはムジェロへと移動。ホッケンハイムでの2連戦を経て、ロシアGPのために10月上旬にソチへと飛ぶ可能性がある。またF1は、冬の到来を前にモントリオールでカナダGPを開催する術がないかどうかを模索しているとも伝えられている。

いずれにせよ、シーズン閉幕は中東となる見通しだ。バーレーンとアブダビの両方が、必要に応じて各トラックでダブルヘッダーを開催する用意があるとしている。

望みの薄い米国大陸

一方で、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)でのアメリカGP、エルマノス・ロドリゲス・サーキットでのメキシコGP、そしてインテルラゴス・サーキットでのブラジルGPについては不確実性が高い。この3カ国は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が今も猛威を振るっている。

特にブラジルはありそうにない。南米の大国は米国、英国に次いで世界3位の死者数を出しているにも関わらず、サンパウロ州内での経済活動は容認されており、今週に入って連日に渡り一日あたりの死者数の最多を更新した。新型肺炎への対応を巡ってボルソナロ大統領は厳しい批判に晒されている。

COTA擁する米国テキサス州では徐々に経済活動が再開されつつあるが、依然として大規模イベントは禁止されている。COTAは財政的なプレッシャーに晒されているが、そのビジネスモデルは海外を含む州外からの観戦者に依存しているため、無観客レースには関心を持ち合わせていないようだ。

メキシコに関しては、現地プロモーター側は当初予定通り11月1日の開催を強調しているが、連邦政府は今月5日、全国の感染症危険情報を更新し、32州すべてを最高レベルの「赤色」に指定した。収束には程遠い状況で、F1サーカスを迎え入れる準備が整うかどうか今のところ疑わしい。

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