フェルスタッペン、F1ロシアGPで3グリッド降格ペナ…イタリアでのハミルトン接触事故で責任を問われた3つの理由

サイド・バイ・サイドのバトルを繰り広げるレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとメルセデスのルイス・ハミルトン、2021年9月12日F1イタリアGP決勝レースにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

F1イタリアGPのスチュワードはルイス・ハミルトン(メルセデス)との26周目の接触事故についてマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)に”主な過失”があると判断。次戦ロシアGPで3グリッド降格ペナルティを科す裁定を下した。

衝撃的なターン1の事故

RB16Bが宙を舞うセンセーショナルなクラッシュは26周目のターン2で起きた。ハードタイヤに履き替えてピットアウトしたハミルトンは、先にピットストップを終えていたフェルスタッペンを従えてターン1へと向かっていった。

両者はサイド・バイ・サイドでターン2へ。行き場をなくしたフェルスタッペンは、コーナーの内側のオレンジ色に塗られた通称”ソーセージ縁石”に乗り上げる事となり、この衝撃でリアが大きくせり上がった。

RB16Bはハミルトンのクルマに乗り上げ、2台はアウト側のグラベルの餌食となり停車した。

”主な過失”はフェルスタッペンにあり

ヴィタントニオ・リウッツィを含むイタリアGPの審判団はレースを終えて、3つの観点から、クラッシュの”主な過失”はフェルスタッペンにあるとの判断を下した。

  • 終始ハミルトンが先行していた
  • フェルスタッペンにレースをする権利はなかった
  • ハミルトンは妥当なポジションにいた

その理由としてスチュワードは判決文の中でまず「ターン1に向けて33号車(フェルスタッペン)はブレーキを遅らせ44号車(ハミルトン)の横に並んだが、一連の流れの中で33号車が44号車の前輪の前方に出る事はなかった」と説明した。

フェルスタッペンは公聴会でスチュワードに対し、事故の原因はハミルトンがターン2に向けて自身をコース外に追いやろうとした事にあったと主張。対するハミルトンは、譲るべきは仕掛けるのが遅かったフェルスタッペンだと言い通した。

スチュワードは映像証拠を見直し、ターン1へのアプローチでかなり遅れをとっていた事は明らかで、フェルスタッペンに「レースをする権利」はなかったと指摘。ハミルトンに関しては、事故を避けるためによりアウト側のラインを取れたはずであるとする一方「妥当なポジション」にいたとして、「主に事故の責任を負うべき」はフェルスタッペンと断じた。

この結果フェルスタッペンは、ソチ・オートドロームで開催される次戦ロシアGPで3グリッド降格ペナルティを受ける事となった。また、12ヶ月間計12点で1レースの出場停止となるペナルティポイントが2点加算(累積2点)された。

マックスとルイス、互いに非難

4基目エンジン投入への影響は?

フェルスタッペンはイギリスGPでのハミルトンの接触事故でエンジンを1基失っており、グリッド降格ペナルティを伴う4基目のエンジン投入が避けられない状況にある。ロシアでの降格がどう影響するかも注目される。

なおFIA国際スポーティング・コード第15条およびFIA司法・懲戒規則第4章に基づき、レッドブル・ホンダにはスチュワードの決定に異議申し立てを行う権利があるが、クリスチャン・ホーナー代表は控訴しない意向を明らかにした

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