フェルスタッペン「視覚問題」を告白、2021年英国GPでのハミルトンとの大事故で後遺症

ガレージで運転の準備をするマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)の目のクローズアップ写真、2024年7月6日(土) F1イギリスGP予選(シルバーストーン・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、病院に搬送されるほどの衝撃を身体に受けた2021年のF1イギリスGPでのルイス・ハミルトン(メルセデス)との大クラッシュ以来、視覚に問題を抱えていることを明かした。

その前日にF1史上初のスプリント予選を制したフェルスタッペンは4戦連続のポールに着いたものの、絶好のスタートを切ったハミルトンとの間で一進一退の激しい攻防を演じ、オープニングラップの高速コプス・コーナーで接触した。

ホイール同士が接触した事でアウト側を走行していたフェルスタッペンはグラベルを乗り越えて高速のままタイヤバリアに激突。その衝撃は51Gにまで達し、メディカルセンターで医師の検査を受けた後、更なる精密検査のために地元病院に運ばれた。

事故から3年を経てフェルスタッペンは、レッドブルの公式サイトに対して「シルバーストーンでのクラッシュ以来、特にバンピーなコースや、コース沿いに広告ボードが多いサーキットで視界の問題に苦しんでいる」と告白した。

同年のアメリカGPでは視界がぼやける症状に見舞われ、リタイヤすることを真剣に考えたほどだったという。

「このレースではルイスとだけじゃなく、ぶれた視界とも戦っていた」とフェルスタッペンは説明する。

「それはまるで時速300kmでスピードボートをドライブしているような感じだった。このことは今まで話したことはなかったけど、数周に渡ってかなり酷く、クルマを停めることも真剣に考えた」

「唯一、役に立ったのは、ルイスを背後に呼吸に集中することだった。これはチャンピオンシップ争いでどうしても必要な重要な勝利だった」

フェルスタッペンが病院に搬送されたシルバーストンでの事故についてスチュワードは、ハミルトンに「主たる過失」があったと判断し、10秒ペナルティと2点のペナルティポイントを科す裁定を下した。

優勝のチャンスと大量ポイント、日本円にして2億円近い損害を被ったレッドブル・ホンダの首脳陣はハミルトンのドライビングに激怒すると共に、科されたペナルティは「余りに寛大」であるとして後日、国際自動車連盟(FIA)に再審査請求を提出した。

レッドブルは、当時テストドライバーを務めていた現ウィリアムズのアレックス・アルボンとセルジオ・ペレスを使ってコプスでのハミルトンの走行ラインを分析するなど、計4つの証拠を提出したが、FIA国際競技規定第14条の要件を満たしていないとしてスチュワードは請求を却下した。

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