フェルスタッペン、2020年のF1タイトル獲得の可能性「絶対的なチャンピオン候補だが…」
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レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは2015年のF1デビュー以来、才能のある若手ドライバーの中でも特に抜きん出た存在として高く評価されてきた。昨年はオーストリア、ドイツ、ブラジルで3度の勝利を上げただけでなく、ハンガリーではキャリア初のポールポジションを獲得。勢い付いている。
クリスチャン・ホーナー代表は今季型マシン「RB16」の競争力を楽観視しており、フェルスタッペンは今年、セバスチャン・ベッテルが持つ史上最年少F1ワールドチャンピオンの称号を奪い去るべく、メルセデスと最強王者ルイス・ハミルトンに真っ向勝負を挑む事になる。
今シーズンのチャンピオンシップについては様々な予想が飛び交っているが、レーシングドライバーから見たフェルスタッペンの勝算は如何ほどか。
フェルスタッペンと同じオランダ国籍を持つ中国系レーシングドライバーのホーピン・タンは、2020年シーズンがフェルスタッペンのキャリアベストになると予想する一方、実際に栄冠を勝ち取れるかどうかについては疑問の余地があると考えている。
2010年にルノーF1のリザーブドライバーを務めていたホーピン・タンは、オランダの「Formule1」のインタビューに応じ「今年は彼にとって今までで最高のシーズンになるだろう」と予想。さらに、2016年シーズンのチャンピオンシップを例に上げて次のような見解を示した。
「チャンピオンシップは多くの要因に左右される。2回ドロップするだけで簡単に50ポイントを失ってしまう。ニコ・ロズベルグがタイトルを獲得したシーズンでは、ハミルトンが2度の不運に見舞われた。その事を考えてみればいい。それに、シーズンの展開にも影響される」
選手権争いにおいては確かにドライバーの能力以外にも数多くの外部的要因の影響を受けることになるが、ホーピン・タンはフェルスタッペンの才能を信じて疑わない。昨年の最終アブダビGPを終えた時点でのトップ3ドライバーについての見解を求められたホーピン・タンは「ハミルトン、フェルスタッペン、そしてバルテリ・ボッタスかな」と答えた。
先月行われたバルセロナテストでは、メルセデス製F1パワーユニットに計4度のトラブルが発生。信頼性が選手権の行方を左右するのではとの懸念が生じたが、ホーピン・タンは「メルセデスはテストで幾つか問題を抱えていたけど、オーストラリアに向けて解決したと思う」と述べ、シーズン中に問題となる事はないと予想した。
1979年のF1ワールドチャンピオン、マリオ・アンドレッティは、フェルスタッペンはチャンピオンに相応しい器でありタイトル獲得は時間の問題だと主張する一方で、その初タイトルが2020年であるかどうかについては確信を持っていない。
「私は最初からマックスのファンだった。彼のレースへのアプローチに魅せられている」とマリオ・アンドレッティ。ハンガリー版Motorsport.comのインタビューに応えた。
「並外れた才能の持ち主だという事は明らかだ。彼ほどの才能を持つ者は非常に珍しい。間違いなく世界チャンピオン候補だし、その点については疑いない。彼がいつチャンピオンになるかは問題ではない」
「ドライバーの才能を評価するには、ウェットコンディションの走りを見るものだが、雨が降っている時の彼は本当に際立っている」
「誰もが手の内を隠していたから、テストで目にしたものは当てにならないが、レッドブルが持つ力量と勝利へのメンタリティ、そして過去に何度もチャンピオンシップを制したという事実を踏まえると、彼らが今年、メルセデスやフェラーリと戦う事は間違いない」