フェルスタッペン、FIAはF1ドライバーを「アマチュア」扱いしていると指摘…トラックリミット議論を巡り
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マックス・フェルスタッペンは、ドライバーズ・ブリーフィングでトラックリミット等の話題を議論する際、国際自動車連盟(FIA)はF1ドライバーを「アマチュア」のように扱っていると指摘した。
マイケル・マシに代わって新たにF1レースディレクターに就任したエドゥアルド・フレイタスとニールス・ヴィティヒは今年、様々な話題についてドライバーと衝突してきた。その内の1つはトラックリミットだ。
FIAは聞く耳持たず
コース外走行はシーズンを通して常に論争の的となってきた。昨年までとは異なりフレイタスとヴィティヒは、コースの白線をコースの端と位置づけ、これを超えた場合にはアドバンテージがあろうがなかろうが一律で違反とする新たなアプローチを採用した。
自身を含む5名のタイムが抹消された7月30日のF1ハンガリーGP予選を経てフェルスタッペンは、金曜の夜に行われたドライバーズブリーフィングでのトラックリミットに関する議論に触れ、FIAが聞く耳を持たず、ドライバーの話を軽視していると不満をあらわにした。
RaceFansによるとフェルスタッペンは「昨夜、彼らがターン13の出口に関して、点線がコースの端だって話を始めたんだ。そこには縁石の脇に白線があるんだけど、個人的にはそっちがコースの端だと思うのに」と語った。
「細々とした馬鹿げた事がたくさんあるせいで、取り締まりがより難しくなっている現状があると思う」
「ドライバーとして僕らは常に彼らの助けになりたいと思っているし、アドバイスをしたいのに、何も聞いてもらえなかった。すごく腹立たしい」
「僕は何も彼らと争うつもりはなく、ただアドバイスしたいだけなのに、彼らは一向に気にしていない様子なんだ」
「僕に言わせれば、彼らは僕らをアマチュアのように扱っているんじゃないかと感じる。それは違うと思う」
トラックリミット判定に映像を使用するのは不適当
ハンガリーGP予選では、ターン5でトラックリミットを違反したとしてフェルスタッペンのチームメートであるセルジオ・ペレスもタイムを抹消されたが、スチュワードはその後に誤りだったとして判定を覆した。
F1は現在、トラックリミットの監視をセンサーではなく目視に頼っており、F1オーストリアGP予選でもペレスのトラック・リミットに関して判定が大きく遅れるというミスがあった。
また、その翌日に行われた決勝レースでは全44件のトラックリミット違反があり、64周分ものラップタイムが抹消された。
トラックリミットが多発する状況についてフェルスタッペンは「F1とって良いとは思えない」と述べ、FIAのトラックリミットの取り締まりに対するスタンスは「冗談みたい」と批判した。
フェルスタッペンはカメラアングルという構造的な問題に触れてトラックリミット判定に映像を使用する事は不適当だと指摘し、人為的にルールを複雑にするよりも、コース出口にグラベルを敷き詰める方がマシだと訴えた。
「アングルの関係からオンボードカメラでは、コースオフしたように見えてもそうではない事が殆どなんだ」
「例えば、オーストリアのターン4とターン6にはグラベルがあるから、アウトに出ればフロアにダメージを負うか、ワイドに膨らむかで、自然と罰せられる事になる」
「だから詰まるところ、彼らは自らの首を締めているようなものなんだ。もちろん白線内に留まれって言う人もいるけど、言うは易く行うは難しであって、さっきの点線についての件も本当に分かりにくい」
自動化プロセスを確立すべき、とガスリー
ペレスと同じ様に、ハンガリー予選でタイムを抹消されQ1敗退を喫したピエール・ガスリー(アルファタウリ)も人的リソースによる監視には限界があると考えており、コース上に検知ループを設置して判定を自動化し、厳密かつ迅速な裁定を下せる体制を整えるべきだと訴えた。
「彼らが言うにはCCTVを理由に僕がラインを超えたと判断したみたいだけど、CCTVの品質がどの程度かは分かっているわけで、この場合にはダブルチェックが必要だ」とガスリー。
「より一貫性を持たせるためには、クルマにセンサーを搭載して、あらゆる場所で利用できるようにするのがベストだと思う」
「この10年に渡る僕のレースキャリアにおいて、ここのターン5でトラック・リミットを受けた事なんて一度もなかったんだ」
「今年は(トラックリミットの判定に関する)アプローチがかなり思い切った形になったわけで、だからこそ常に公平に遵守されるようにするためには、間違いなくもっと正確なツールが必要だと思うんだ」