勝敗決したイモラ1周目…フェルスタッペンとハミルトン、接触したか否かで意見対立
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F1の競技部門を率いるロス・ブラウンが「スタート時の最初のコーナーでのハミルトンとのバトルは、レースの流れを決める重要なものだった」と述べたように、第2戦エミリア・ロマーニャGPの勝敗はオープニングラップのタンブレロ(ターン2・3)で決した格好となった。
1周目、3番グリッドのマックス・フェルスタッペンは最初のシケインへのアプローチに際し、ポールシッターのルイス・ハミルトンとホイール・トゥ・ホイールのバトルを繰り広げてイン側を獲り、ターン3に向けて首位を奪取。その後、ハミルトンにトップを譲る事はなかった。
後のレース展開を決定づけたこのアクションについて、接触したか否かでフェルスタッペンとハミルトンは見解を異にしている。
レースの後の会見で一件について問われたフェルスタッペンは「接触してないと思うけど」と答えたが、隣に座っていたハミルトンは「当たった、当たってたよ」と返した。
「うそ?」と続けるフェルスタッペンに対して、ハミルトンが「ホント」と続けると、フェルスタッペンは困惑した様子で「リプレイ映像を見てみるよ」と答えた。
どうやらフェルスタッペンは本当に接触したとは感じていないようで「分かった。僕としては接触はなかったと思うけど、実際にどうかは分からないから、もう一度映像を見てみる必要がある」と語った。
この混乱の過程でハミルトンはフロントウイング左側の翼端板を失い、空力的なダメージを負う事となった。
メルセデスは当初、このインシデントによるダメージで1周あたりコンマ5秒の損失を懸念していたが、破損したパーツがタイヤを痛める事なく完全に脱落した事が幸いし、ダメージはコンマ2・3秒にまで低下したという。
ただ、接触そのものによってというよりはむしろ、攻撃的な黄色の”ソーセージ縁石”を超えた際に損傷したもののように見える。ハミルトンも混乱の最中に「エンドプレートがダメージを負ったと思うけど、(詳しい状況は)正確には分からない」と述べている。
バルテリ・ボッタスとジョージ・ラッセルの接触に関しては、クラッシュによるWリタイヤという結末に終わった事もあり、いずれに非があるかを巡って議論となっているものの、1周目のターン2のインシデントに関しては殆ど話題に上がってはいない。あれはどちらのドライバーに優先権があったのだろうか?
ロス・ブラウンは「あれはマックスのコーナーだったと思う。彼はラインを取り、コース上で自身の場所を確保していた。ルイスも振り返って見直せば、手を引いておけば良かったと思うかもしれないね。特にああいったコンディションであったわけだから」と述べ、フェルスタッペンを支持している。
なおレッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、フェルスタッペンが第1コーナーを制した背景の一つとしてセルジオ・ペレスの存在を指摘する。
ハミルトンはスタート直後にステアリングを右に切り、2番グリッドのペレスを牽制した。これによってハミルトンは加速が鈍り、その間に絶好の蹴り出しを見せたフェルスタッペンが左サイドに付け、両者は並走した状態でタンブレロへと向かっていった。
マルコはSky Sportsとのインタビューの中で「ハミルトンはペレスをカバーしようとしたが、その時にはマックスが殆ど横並びになっていて、その後イン側で1車線分前に出た」と語っている。