リアム・ローソン、強力なペースをもたらした「2つの要因」初走行COTAで60降格ペナを受け復帰戦9位入賞
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ダニエル・リカルドの後任として、スプリントという難しい週末に約1年ぶりの復帰を果たしたリアム・ローソン(RB)は2024年10月20日のF1アメリカGPで、最後列19番グリッドからの見事な追い上げを決め、昨年のシンガポールに並ぶキャリア最高位タイの9位入賞を飾った。
パワーユニットの総交換により、降格ペナルティ数が計60グリッドとなったローソンは、スタートに向けて変則のハードタイヤを装着した。結果的には、ハードスタートを選択した5台の内の3台がトップ10圏内でチェッカーを受けた。
1周目を経て一気に14番手にまで浮上したローソンは、アストンマーチン勢を次々と攻略し、18周目にポイント圏内10番手にまでポジションを上げると、第1スティントを36周目まで引っ張り、その18周前にピットストップを消化した角田裕毅の前、12番手でコースに復帰した。
フレッシュなミディアムタイヤの優位性を活かし、39周目にピエール・ガスリー(アルピーヌ)を交わすと、フランコ・コラピント(ウィリアムズ)のピットインにより9番手に浮上し、RB復帰戦を見事な成績で締め括った。
サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)を走行するのは今週末が初めてだった。
60グリッド降格ペナルティを受けると決まった時、ポイントを争えるとは思っていなかったのでは?と尋ねられたローソンは「そんなこと、全く思ってなかったよ!」と笑った。
「正直、あのスタートポジションだったし、かなり苦戦した昨日のスプリントレースのことを考えると特にね」
「予選に向けてクルマのパフォーマンスを大きく改善できてはいたけど、レースはまったくの別物だし、計画通りに進むかどうかも分からない」
「でも、クルマのクオリティとレースで明らかに前進できたことは、僕にとって本当に前向きだ。今週末の目標は、最後まで走り抜いてクルマに自信を持てるようになることだったから、気持ちよく走れたことが何よりだった」
「それに今日はオーバーテイクする側になれたことも良かった。兎に角、ハードを履いた最初のスティントで上手くやれたことが、結果に繋がったのだと思う」
スプリントまで厳しい状況にあったにもかかわらず、レースの第1スティントでは印象的なペースを見せた。その理由はどこにあるのか?
「クルマに対して、より良い感触を持てるようになったことと、週末を通してチームが本当に一生懸命取り組んでくれたことが大きいと思う」とローソンは説明する。
「今回はかなりアグレッシブに変更を加えたんだ。普段よりも攻めたアプローチだったかもしれない」
「それに、チームのみんなはこの数週間にわたって僕の準備のために本当に頑張ってくれた。残業までして僕がクルマに慣れるよう手伝ってくれたし、今週末のクルマに関してもそうだった。だから、チーム全体の努力の成果だよ」
「本当に感謝してる。僕がクルマに慣れるよう尽力してくれて、それが結果に繋がったのが本当に嬉しい」
ローソンは、単独スピンを喫してポイント圏外14位に終わった角田裕毅とは異なるセットアップでレースに臨んだ。予選を終えた段階で角田裕毅は、自身のクルマのセットアップの方向性に懐疑的だった。
テクニカル・ディレクターを務めるジョディ・エギントンは、予選に向けたセットアップ変更により「ペースとタイヤの消耗が顕著に改善された」と説明し、決勝でのローソンのペースを「本当に力強かった」と評価した。
また、復帰戦でのポイント獲得は、ローソン自身の功績であるだけでなく、秋休み期間を含めたチーム全体の努力の成果だと指摘した。
チーム代表のローラン・メキーズは、「昨年10月以来、レースから遠ざかっていたことを考えると、週末を通して本当に素晴らしい仕事をしてくれた」と評価し、「今シーズンはずっと、チームとともに過ごし、ファクトリーやグランプリの現場で協力してきたため、週末の最初の段階から、ほぼ万全の準備が整っていたと思う」と付け加えた。
2024年F1第19戦アメリカGPでは、4番グリッドからスタートしたシャルル・ルクレールが今季3勝目を挙げ、カルロス・サインツがこれに続いたことでフェラーリが1-2フィニッシュを達成した。
エルマノス・ロドリゲス・サーキットを舞台とする次戦メキシコGPは10月25日のフリー走行1で幕を開ける。