アロンソ「もはや安全に走れなかった」ダウングレード功奏でPLスタートから入賞圏挽回も残り8周でDNF

リタイヤで終えたF1アメリカGPを経てインタビューに応じるフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)、2023年10月22日サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)は2023年F1アメリカGPで、ピットレーンスタートながらも終盤に向けて入賞圏内9番手を走行する見事な巻き返しを見せたが、「もはや安全に走る事ができなかった」ため、残り8周でリタイヤした。

今季初のQ1敗退、更に言えば今季初のトップ10圏外に終わった予選と、ポイント圏外13位に甘んじたスプリントを経てアストンマーチンは、同じく最後方スタートが決まっていたランス・ストロール共々、決勝に向けてクルマのセットアップを変更した。

Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)を走行するフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)、2023年10月22日F1アメリカGP決勝レース

週末を通した不振の原因の1つは、初日金曜のフリー走行でブレーキのオーバーヒートに見舞われ、アップグレードが施された新しいAMR23に対する理解が進まず、セットアップを突き詰められなかった点にあった。

ブレーキのオーバーヒートはシミュレーションを誤った結果だった。フロントブレーキに流入する空気量が減少して過剰に温度が上昇した。

アストンは本戦に向けて、アロンソのマシンからアップデートパーツを取り除いて前戦カタール仕様へと戻し、ストロールに関してはフロアやディフューザーなど、アップグレードを採用しつつもセットアップを調整。この結果、2人はハースの2台と並びピットレーンからスタートした。

慣れ親しんだパッケージを駆るアロンソは序盤から攻勢をかけ、4周目までに17番手に浮上すると、第1スティント終盤にはポイント圏内9番手にまでポジションを上げた。

そして最終2回目のピットストップを消化すると角田裕毅(アルファタウリ)の背後でコースに復帰し、軽々とこれをオーバーテイクして8番手を走るピエール・ガスリー(アルピーヌ)に照準を合わせた。

ところがアロンソの奮闘は、自らガレージにクルマを入れてのリタイヤという悲劇で幕を下ろした。

リタイアの理由についてアロンソは「まだ調査中だけど、フロアの下かリアサスペンションか何かが原因だと思う。ここは路面が本当にバンピーで、縁石もかなりアグレッシブだ」と語った。

「最初、サスペンションに異変を感じたんだ。だから、もはや安全に走れる事はできなかった。ピットレーンからスタートして、ポイント圏内の8番手あたりにつけていたというのに」

結果につなげる事はできなかったが、それでもサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)でのレースを通してアストンは息を吹き返したかに見えた。パルクフェルメ違反を犯してまでセットアップを変更した事が功を奏したのか?

「そうだね、そう思う」とアロンソは語る。

「アストンマーチンは今日、ピットレーンから素晴らしいレースを繰り広げた。(リタイヤがなければ)恐らく8位と9位でフィニッシュしていたはずだ。それが最終スティントに入った段階での僕らの目標だった」

「ここオースティンでの今週末の他のセッションよりも速さを感じる事ができた。スプリントを経てレースに向けては大量のテストに取り組み、2台でコンフィギュレーションを分けた」

「だからメキシコに向けてデータを洗いざらいテーブルの上において、可能な限り最良のセットアップを施すために、入念に準備を進めていかなきゃならない」

同じくピットレーンスタートが決まっていたストロールは、レコノサンス・ラップで誤ってグリッドに進入するミスを犯したが、スチュワードは「明らかな規定違反は確認されなかった」として、ペナルティを科す事はなかった。

一件についてストロールは「単なるコミュニケーション上のミス」と説明した。


2023年F1第19戦アメリカGP決勝レースでは、6番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季15勝目を飾った。2位はルイス・ハミルトン(メルセデス)、3位表彰台にはランド・ノリス(マクラーレン)が滑り込んだ。

エルマノス・ロドリゲス・サーキットを舞台とする次戦メキシコシティGPは10月27日のフリー走行1で幕を開ける。

F1アメリカGP特集

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