ホンダF1、89年セナ以来の英国ポールポジションも過酷な決勝を予想する田辺TD

2021年7月17日にシルバーストン・サーキットで開催されたF1イギリスGPのスプリント予選レースで勝利を収め、P1ボード前にレッドブル・ホンダRB16Bを停めるマックス・フェルスタッペンCourtesy Of Red Bull Content Pool

ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは17日(土)に行われたF1第10戦イギリスGPスプリント予選を終えて、日曜の決勝レースはホンダ勢にとって「難しい戦いになる」と予想した。入賞圏内スタートは1台のみだ。

1ラップタイムではなくスプリントレースのリザルトによって日曜の決勝スターティンググリッドを決するこの新しい試みは、決勝レースの3分の1に相当する約100km、シルバーストン・サーキットを17周する事で争われた。

レッドブルのマックス・フェルスタッペンは1周目のターン1でルイス・ハミルトン(メルセデス)を交わしてそのままトップチェッカーを受け、4戦連続ポールポジションを達成した。

チームとしては9年連続でのメルセデスのシルバーストンPP記録に終止符を打ち、ホンダF1としては1989年のアイルトン・セナ以来となるイギリスGPでのPP獲得を果たした。

5番手からスタートしたセルジオ・ペレスは序盤に超高速のマゴッツ、ベケッツ区間で奇妙なスピンを喫して18番手にまで転落。バイブレーションが悪化した事でファイナルラップでリタイヤした。決勝に向けては逆襲の”ピットレーンスタート戦略”を採る可能性がある。

予選でQ3進出を逃したアルファタウリ・ホンダ勢はペース不足を解消する事ができず、ピエール・ガスリーと角田裕毅は共にスタートポジションと同じ12位、16位でフィニッシュした。角田裕毅は「本当にガッカリ」とうなだれ、ガスリーは「結果に繋げられず本当に悔しい」とフラストレーションをあらわにした

順位 ドライバー チーム
1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 25:38.426 3
12 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ +48.763s 0
16 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ +53.567s 0
20 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダ DNF 0

なおガスリーに関しては9位フィニッシュしたジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)がグリッド降格受けるため、11番グリッドに昇格する。

決勝はホンダ勢にとって難しい戦いになる

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

今日はF1史上初めて、決勝レースのスターティンググリッドを決めるレース形式のスプリント予選が行われました。

昨日の予選結果に基づき、2番グリッドから素晴らしいスタートを決めたフェルスタッペン選手が1コーナーでトップに立ち、17周のレースをそのままフィニッシュして明日のレースのポールポジションを獲得しました。

今までの予選とは異なる形式ですが、フェルスタッペン選手はこれで4戦連続のポールポジションとなりました。

チームメートのペレス選手は途中でスピンを喫し大きく順位を落とし、その際にタイヤにダメージを負った影響で振動が次第に大きくなったため、安全面を考慮して最終的にレースをリタイアしました。

スクーデリア・アルファタウリ・ホンダはガスリー選手が12位、角田選手が16位と、共にスタートポジションのままでフィニッシュする残念な結果に終わりました。

フェルスタッペン選手のすぐ後ろにはメルセデスの2台がいますし、他のマシンは中盤グリッド以降からのスタートと、明日のレースはホンダ勢にとって難しい戦いになることが予想されます。

今日のスプリント予選からは多くの学びがありました。レースに向けてそれらを十分活用できるように、両チームとともにデータを解析して明日の本番に臨みます。


逆転のポールポジションはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。2番手はルイス・ハミルトン(メルセデス)。3番手はバルテリ・ボッタス(メルセデス)という結果となった。

2021年F1イギリスGP決勝レースは日本時間18日(日)23時にブラックアウトを迎え、1周5891mのコースを52周する事で争われる。

F1イギリスGP特集

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