角田裕毅、レッドブルF1昇格に向け「リカルドにあって自分に足らないもの」に注目
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F1での4シーズン目を迎える角田裕毅は、次のキャリアの「最優先事項」であるレッドブルの昇格に向け、ビザ・キャッシュアップRBのチームメイト、ダニエル・リカルドが持つ優れた「自制心」に注目している。
レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは2025年のマックス・フェルスタッペンのチームメイトとして、セルジオ・ペレス、リカルド、そして角田裕毅が条件付きで候補になり得ると明言した。
マルコは外部起用の可能性を除外しているわけではないが、一部メディアで囁かれていたアレックス・アルボン(ウィリアムズ)とカルロス・サインツ(フェラーリ)の2人については現時点で選択肢から除外している。
蘭「RacingNews365」によると角田裕毅曰く、マルコからレッドブル昇格に向けた具体的な目標は「今のところ」設定されていない。ただしマルコは、シーズンを通してチームメイトを圧倒した者にチャンスが与えられると明らかにしている。
無論、2026年よりホンダのF1パワーユニット供給を受けるアストンマーチンを含めた他チームへの移籍も選択肢となり得るが、角田裕毅は「他のチームからより多くの関心を集めることができれば、それはドライバーとしてどれだけ良い走りをしたか、どれだけ評価されているかの証明になるので、僕はそれを目指しています」としつつも、「もちろん、最優先事項はレッドブルになります」と付け加えた。
特に前半戦がそうであったが、角田裕毅は昨年、シーズンを通してミスを抑えて一貫性を発揮し、大きく成長した様子を見せたが、それでもトップチームに足るレベルに達しているとは考えられていない。
キャリアの次の段階に進むためには何が必要なのか。そのヒントは8度のグランプリウィナーであるチームメイトにあるのかもしれない。11歳年上のオーストラリア人ドライバーは自らの感情をコントロールし、常に冷静に物事を判断する能力に長けていると角田裕毅は考えている。
「彼は僕にはないものを持っています。それは自制心です。彼はその点で本当に優れています」「その種の自制心は本当に重要なので、兎に角、学んでいる最中です」と角田裕毅は語った。
F1のような過度のプレッシャーの下で競い合う環境においては特に自分を律する事が重要で、時速300kmでステアリングを握る中、自らの判断に伴うリスクを瞬時かつ適切に評価し、チームと生産的な意思疎通を行う事が求められる。
以前のリカルドは、当時のマクラーレンのクルマが抱えていた独特の挙動に馴染めず、最後まで自身のドライビングをクルマに合わせ込む事ができなかったが、VCARB 01に対しては「良い感触」を持っており、F1キャリアの「第2弾」の到来を感じるほどに前向きな状態にある。
2025年の契約を巡って潜在的な競争相手となるチームメイトについて角田裕毅は、マックス・フェルスタッペンと張り合っていた”往年のリカルド”が戻ってきたと考えている。
「ダニエルについては誰もが知っている通り、速さがあり、複数のグランプリで勝利を収めたドライバーで、間違いなく他と比べて僕らのクルマを遥かに快適に感じています」と角田裕毅は語る。
「なので素晴らしい状態に戻っていると思います。速いドライバーへの挑戦は僕にとって歓迎すべきことです」
角田裕毅は、F1における主なライバルは他のチームのドライバーではなく自身のチームメイトであるとの考えを強調しつつも「クルマをどれだけ改善できるかという点で僕らは意見を共有していますし、チームメイトとして上手くやれています」と述べ、その協力関係を大切にし、チーム内での健全な競争を肯定的に捉えている様子をうかがわせた。