角田裕毅とローソンを直撃した「不具合と運営ミス」RB最終戦無得点で目標達成できず
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アルファタウリから新たに改名した「ビザ・キャッシュアップRBフォーミュラ1チーム」は、最初で最後のシーズンを苦しい形で終えた。チームは信頼性の課題や運営上のミスに直面し、入賞のチャンスを逃す厳しい結果となった。
角田裕毅、トラブル響く
12月8日(日)のF1最終第24戦アブダビGP決勝で角田裕毅は、クラッチの不具合によりスタートで出遅れ、1周目に8つのポジションを失う大きな痛手を負った。その後、懸命に追い上げを図ったが、戦線に留まることは難しく、最終的に12位でシーズンを終えた。
スタート時に角田裕毅が抱えたトラブルについて、RBの最高技術責任者(CTO)を務めるティム・ゴスは、「アンチストールが作動してしまい、ユーキのスタートは思うようにいかなかった」と語り、次のようにレース内容を評した。
「これにより彼はグリッド最後尾に沈んだが、その後、堅実なレースを見せてくれた。ただ、終盤に2回目のピットストップを行ったストロールに僅かに及ばなかった」
ゴスはまた、スタート時のトラブルの原因がほぼ特定されつつあることを明かし、来シーズンに向けて問題の解決に注力する意向を示した。
ローソンにも襲いかかった不運
トラブルに見舞われたのは角田裕毅だけではなかった。
リアム・ローソンは順調にレースを展開し、一時は入賞を見据えて6番手を走行していたが、1回目のピットストップでタイヤの装着不良に見舞われ、再度のピットインを強いられた。この結果、ストップ・アンド・ゴー・ペナルティを受けてさらに後退し、レース中盤の25周目以降は最後尾で走行を続けざるを得なかった。
ゴスは「左の前輪が適切な位置にない状態で取り付けられたことで、再びピットストップが必要となってしまった。その結果、ペナルティを受けてしまい、競争のチャンスが殆ど失われてしまった」と説明した。
不運はこれに留まらなかった。ローソンのレースは、チェッカーフラッグまで残り3周という最終盤に終わりを迎えた。ブレーキトラブルが発生し、クルマを停止せざるを得なかった。
ゴスは「1ストップ戦略がうまくいったことで、今日はポイント獲得のチャンスがあったが、残念ながらテクニカル面とオペレーション面の双方で問題を抱えた結果、後退してしまった」と語った。
課題残すも「強固な基盤」
2台揃ってノーポイントに終わった結果、RBは目標としていたコンストラクターズ選手権6位を奪還できず、7位ハースに12ポイント差の8位に終わった。
チーム代表のローラン・メキーズは「シーズン最終戦は満足のいく結果ではなかった」と認め、「今季は特に、信頼性やピットストップに関してチームが良い成果を挙げてきただけに、このような形でシーズンを終えるのは辛い」と語った。
一方で、「将来に向けてより強固な基盤を築き始めている」として、ファエンツァ、ビスター、そしてミルトン・キーンズのファクトリーのスタッフ、ホンダ、RBPTを含めたあらゆる関係者の「素晴らしい仕事」に対して感謝を伝えた。
さらに「シーズンを通して大きく成長した2人のドライバー、ユーキとリアムにも特に感謝の意を表したい。また、シーズン序盤に計り知れない貢献をしてくれたダニエル(リカルド)の存在も忘れてはならない」と語り、次のように続けた。
「チャンピオンシップでの最終順位には満足していないが、ドライバーたちは昨シーズンのほぼ倍のポイントを積み上げ、コース上でも多くの素晴らしいバトルを繰り広げてくれた」
「この先に控えるウィンターブレイクには、数多くのエキサイティングな挑戦が待ち受けている。2025年に向けて進歩を続けるために、全力で取り組んでいくつもりだ」
「RB」は2025年より「レーシング・ブルズ」に改称する予定だ。
2024年F1最終第24戦アブダビGPでは、ランド・ノリス(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインを飾り、マクラーレンに26年ぶりのコンストラクターズ選手権をもたらした。