新型ウイングのロールバック、問題多発で歯車が狂ったVCARB 01
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冷却システムの問題に加えて、新型リアウイングのDRSにもトラブルが発生し、パフォーマンス面でもライバルに劣勢と、広範なアップグレードが導入されたVCARB 01はF1スペインGPの初日に数々の問題に見舞われた。
角田裕毅はベンチマークを刻んだルイス・ハミルトン(メルセデス)から0.947秒遅れの15番手、ダニエル・リカルドはチームメイトから0.046秒落ちの16番手と、4戦連続でポイント獲得を続けるこの日のVCARB 01は8番目のクルマに過ぎなかった。
レーシング・ディレクターを務めるアラン・パーメインは「今日は決して順調な1日ではなかった」と認めた。
「FP1ではユーキのマシンに冷却システム上の問題が発生し、その修理に時間を取られてしまった。また、新しいリアウイングのDRSに問題があり、慎重を期してFP1の残りはDRSを閉じた状態で走行することになった」
「当然、それがラップタイムに大きく影響した。適切な条件で走れなかったため、クルマのバランスを完全に把握することができなかった」
DRSのフラップがバタつく問題はFP2にも影響を及ぼした。
RBは今回、アップグレードの一環としてフロアやリアウイングと合わせて新しいエンジンカバーを持ち込んだ。これはミドル~ハイダウンフォース・サーキット用に設計された新型リアウイングへと向かう空気の整流を目的としたものだが、予期せぬ問題が発生したことでFP2に向けてチームはリアウイングを旧スペック(開幕2戦仕様か?)に戻さざるを得なかった。
アップグレードされたその他のコンポーネントと、以前の仕様のリアウイングのミスマッチからだろうか、RBはFP2に向けて「両方のクルマのセットアップを調整してリアエンドを少し落ち着かせようとしたが、ドライバーたちはFP2でも完全には満足していない様子だった」という。
2日目以降に再び新型リアウイングが使えるのかどうかは不透明だ。RBは現在、ファクトリーで徹底的な分析作業に取り組んでいる。
予選が行われる土曜に向けてパーメインは「リアエンドのグリップが少し足りていない。タイムシート上の順位を上げるために、今夜の間にセットアップを改善するための作業に取り組むつもりだ」と語る。
「アップグレードによる数値には満足している。すべてが順調に機能していて問題はない。クルマの機械的な部分とサスペンションのセットアップの改善に焦点を当てていくつもりだ」
2024年F1スペインGPのFP2をトップで締め括ったのはルイス・ハミルトン(メルセデス)。2番手にランド・ノリス(マクラーレン)、3番手にカルロス・サインツ(フェラーリ)が続き、トップ3は0.055秒という僅差の争いとなった。
FP3は日本時間6月22日(土)19時30分から、公式予選は同23時から1時間に渡ってカタロニア・サーキットで開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。