不安で仕方なかった…ハミルトン、セットアップ功奏で予選最上位も「レースに繋げられるかどうかは分からない」

2021年11月12日のF1サンパウロGP予選を終えてパルクフェルメに停まったルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスのメルセデスW12およびマックス・フェルスタッペンのレッドブル・ホンダRB16BCourtesy Of Daimler AG

メルセデスのルイス・ハミルトンは、後続にコンマ4秒以上の差を付ける驚異的なペースでF1サンパウロGPでのスプリント予選最上位グリッドを手にしたが、それをレース結果に繋げる事ができるかどうか確信を持っていない。

8度目のタイトルを目指すランキング2位のハミルトンは11月12日(金)に行われた公式予選のQ3でライバルのマックス・フェルスタッペンに大差を付けたものの、事前にそんな事をやってのける自信はなく、予選までは強い不安に苛まれていたと明かした。

ヘルメットを脱いだハミルトンは「正しいセットアップを探り当てるため1時間に渡ってずっと座りっぱなしだったんだけど、その間の不安は尋常じゃなかった」と語った。

「大抵の場合、誤った方向にいってしまうんだけど、今日は上手くやる事ができた。クルマは凄く良い感じに仕上がった。全てが思い通りだった」

「おかげでラップを通してプッシュし続けることができた。全セクターで最速を刻んで、走る度にタイムを削っていく事ができたんだ」

スプリント予選フォーマットの週末は予選前のプラクティスが60分間のセッション1回に限定される。つまり、セットアップ作業に費やせる時間が通常の週末の3分の1という事だ。

おまけにこの日のFP1は路面の改善傾向が大きかったために、予選に向けては路面グリップの上昇率を勘案した上でマシンを調整するという難しい判断が要求された。

今季5基目となる新品のメルセデスエンジンと功奏したセットアップの助けによって、ハミルトンはタイトル争いのライバルに対して予選で今季最大のギャップを築く圧倒的なパフォーマンスを発揮する事となった。

だがハミルトンはその速さを「レースに繋げられるかどうかは分からない」として、予選最速を刻んだセットアップがレースでも同じ様に機能するかどうか確信は持てないと語った。

また「明日のレースではかなり手強いだろう」と述べ、スプリント予選でのレッドブル・ホンダ勢に警戒感を示すと共に、フェルスタッペンがスプリント予選で優勝し、日曜の決勝レースをポールポジションからスタートするのは「間違いない」として、71周の本レースで「彼を捕まえるのはかなり難しいだろう」と付け加えた。

安堵した証だろうか。ハミルトンは終始、あまり目にする事がないほどの満面の笑みでインタビューを受けていたが、この後、DRS関連の技術指令違反の疑いが発覚し、スチュワードの審問を受ける事となった。

違反の内容から判断すると最後尾、あるいはピットレーンスタートは免れないが、実に興味深いことにマックス・フェルスタッペンに対する競技規制違反の疑いが浮上した事で審問は保留となり、裁定は土曜の朝に下される事になった。

F1サンパウロGPの2回目のフリー走行は日本時間11月13日(土)24時から、スプリント予選は同28時30分よりインテルラゴス・サーキットで開催される。

F1サンパウロGP特集

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