ホンダF1、誰も知らぬ”アウタートラック”…なるか?2戦連続W表彰台「テンポの速い展開を期待」と田辺TD

トロフィーを前にレッドブル・レーシングにとって3年ぶりのW表彰台獲得を祝うマックス・フェルスタッペンとアレックス・アルボンcopyright Red Bull Content Pool

ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターが、2020年FIA-F1世界選手権第16戦サクヒールGPに先立って抱負を語った。

サクヒールGPの戦いの舞台となるのはバーレーン・インターナショナル・サーキットのアウタートラック。1周3,543mのコースは前戦バーレーンGPとは異なるレイアウトでありF1で使用されるのは今回が初。誰にとっても完全に未知の世界だ。

全長がモナコよりも短く、ブレーキングポイントが僅か4か所という事から、シミュレーターでは1周55秒と1分切りが予想されている。実現すれば、全長3.2㎞のディジョン・サーキットで行われた1974年のフランスGPでニキ・ラウダが残した58秒790のF1最短ラップタイムを更新することになる。

また、1ラップが短いことから規定周回数は87周に設定される。これは、1995年に岡山県のTIサーキット英田(現・岡山国際サーキット)で開催されたパシフィックGPの82周を上回っての史上最多となる。

マックス・フェルスタッペンが指摘する通り、特に予選ではトラフィック対策が鍵となる。決勝レースでも周回遅れのマシンが多く発生する見通しで、如何にタイムロスなくバックマーカーを処理できるかが重要だ。

また開催時刻も後ろ倒しとなり、現地時間20:10(日本時間翌4:10)開始の完全なナイトレースとして開催される。

ホンダ勢は前戦バーレーンでマックス・フェルスタッペンが2位、アレックス・アルボンが3位でフィニッシュし、昨年のブラジルGP以来初となるダブル表彰台を獲得しただけでなく、アルファタウリのピエール・ガスリーが殊勲6位入賞を飾った事で、3台がポイントを獲得する好結果を収めた。サクヒールで狙うは2戦連続のダブル表彰台だ。

Honda:サクヒールGPに向けて

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

今週末のサヒールGPは先週と同じバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われますが、レイアウトはアウタートラックへと変更されます。1周は約3.5kmという短くストレート区間の割合が高い特徴的なレイアウトで、ラップタイムは1分を切ることが予想されており、テンポの速い展開で先週とは違ったレースの一面が楽しめると思います。

エネルギーマネージメントやパワーユニット(PU)のセッティングに関しては、今シーズンこれまでに何度か経験してきた初開催サーキットの時と同様のプロセスを踏んでいくことになります。特徴的なコースレイアウトを十分検討した上でシミュレーションを行っており、そこに実際の走行から得たデータを合わせて迅速に最適化を進めたいと思います。

全長が短くストレートの占める比率が高いことから、予選ではトラフィックやトウ(スリップストリーム)の観点からガレージアウトのタイミングがひとつの大きな要素になりそうです。我々としては、いつでも走行可能なようにPU側の準備を整えること、またチームとのコミュニケーションが重要だと考えています。

先週末のレース結果によりレッドブル・レーシングは、今シーズンのコンストラクターズチャンピオンシップ2位を確定させました。ダブル表彰台を獲得した先週の良い流れを持続し、チームとともに残りの2戦をプッシュして戦いたいと思います。


F1サクヒールGPは、日本時間12月4日(金)22時30分からのフリー走行1で幕を開ける。

F1サクヒールGP特集

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