禁断のチームオーダー発動でハミルトンが優勝、セレモニーは気不味い雰囲気に… / F1ロシアGP《決勝》結果とダイジェスト

ソチ・オートドロームを走るメルセデスAMGのルイス・ハミルトンcopyright Mercedes

2018シーズンF1世界選手権 第16戦ロシアGP決勝レースが9月30日に行われ、予選2番グリッドのメルセデス、ルイス・ハミルトンがチームメイトの力を借りて優勝。2位はバルテリ・ボッタス。3位表彰台にはスクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテルが滑り込んだ。

ハミルトンの前でのフィニッシュが至上命令であった跳馬ベッテルだが、一度はピット戦略で前に出たもののマシンの性能差は大きく、太刀打ちできずにレースを終えた。シーズン残り6戦というこのタイミングで投入した空力アップデートがマシン性能を大幅に強化。メルセデスはチャンピオンシップで大きく前進すると共に、ロシアGP5連覇の快挙を達成した。

トロロッソ・ホンダ勢は僅か5周を走行したのみで、2台同時にミステリアスなリタイヤを喫した。混乱なく過ぎたクリーンなオープニングラップを経て、まずはピエール・ガスリーがターン4で不可解なスピン。その後立て続けにブレンドン・ハートレーも同じ様にターン2でスピンを喫した。

チームは即座に2台にピットインを指示。STR13の2台が再びコースインする事はなく、二人はヘルメットを脱いだ。チームはブレーキトラブルが発生していた事を認めた。


© Getty Images / Red Bull Content Pool、トラブルを抱え後方を並んで走行するトロロッソ・ホンダSTR13

前戦シンガポールから2週間ぶりに行われたロシアGPの舞台は、90度コーナーが連続する半公道のソチ・オートドローム。決勝は、日本時間30日(日)20時10分にブラックアウトを迎え、1周5,872mのコースを53周する事で争われた。

前日29日(土)に開催された予選では、ボッタスが0.145秒差でハミルトンを上回わりポールを獲得。2列目には跳馬のベッテルとライコネンが並んだ。パワーユニットとギアボックス交換及び、黄旗無視などの複数要因によってスターティンググリッドが予選結果と大きく異なる形となった。

現地は直前に降雨があり周辺には黒い雲。降水確率40%、いわゆる天気雨が降る微妙な状況の中、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温24℃、路面26℃のドライコンディションで開始された。

1回目のピットストップで3番手を走行していたベッテルがアンダーカットに成功。ハミルトンの前に躍り出てみせたものの、ハミルトンはその翌周に4コーナーのブレーキングでベッテルを交し、再びポジションを取り戻した。

25周目、メルセデスはチームオーダーを発動。チーフ戦略家のジェームス・ウォールズは事実上の先頭を行くボッタスに対し「後ろのルイスがベッテルに対してリスクを抱えているんだ。左リアタイヤに小さなブリスターが出来ててさ…」と無線で順位の入れ替えを指示し、選手権を争うハミルトンとベッテルの間にボッタスという名の障壁を作った。

ボッタスは指示内容を”ハミルトンがベッテルに抜かれる危険性があるから一時的に間に割って入ってくれ”と理解。順位を入れ替えたもののベッテルがハミルトンを脅かす事はなく、チェッカー2周前にチームに対して次のように質問した。「で、どうやってレースをフィニッシュするの?(順位を戻さないの?)」

これに対してウォールズはバツが悪そうに「このままのポジションで行く」と返答。続けてチーム代表を務めるトト・ウォルフが無線に登場し、ボッタスに対して釈明した。「バルテリ、トトだ。今日は君とチーム全体にとって難しい日になってしまった。レースが終わったら話し合おう」

1-2フィニッシュというこれ以上のない形でレースを終えたメルセデス陣営だが、事前の取り決めとは異なるイレギュラーなプロセスを踏んだのだろうか。トップ3インタビューを受けるボッタスの脇には、ハミルトンが申し訳なさそうに横に付き沿う等、見たことのない光景が広がった。

同じ様に、レーシングポイント・フォースインディアもチームオーダーを発動。前走のケビン・マグヌッセンを追い抜きあぐねていた10番手オコンに対し、後続のペレスを前に出すよう無線でオーダー。だが、ペレスもマグヌッセンを交わす事はできす、こちらは最終的に順位を元に戻している。

最も輝きを放ったのはレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペン。各種交換ペナルティに加えてイエローフラッグ無視が加わり、19番グリッドからスタートしたフェルスタッペンは、オープニングラップで一気に13番手にまでポジションアップ。その後も怒涛のオーバーテイクを重ね、8周目には定位置のポイント圏内5番手にまで挽回して見せた。

ソフトタイヤでのスタートの優位性を活かし、上位勢のピットストップによってトップを走行していたフェルスタッペンは、残り10周となった43周目にピットイン。5番手でコースに復帰するとそのままチェッカーフラッグを受けた。文句なしのドライバー・オブ・ザ・デイを獲得し、21歳のハッピーバースデーに花を添えた。

2018年F1第16戦ロシアGP決勝リザルト

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 53 1:27:25.181 25
2 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 53 +2.545 18
3 5 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 53 +7.487 15
4 7 キミ・ライコネン フェラーリ 53 +16.543 12
5 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・タグホイヤー 53 +31.016 10
6 3 ダニエル・リカルド レッドブル・タグホイヤー 53 +80.451 8
7 16 シャルル・ルクレール ザウバー・フェラーリ 53 +98.390 6
8 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 52 +1 lap 4
9 31 エステバン・オコン フォースインディア・メルセデス 52 +1 lap 2
10 11 セルジオ・ペレス フォースインディア・メルセデス 52 +1 lap 1
11 8 ロマン・グロージャン ハース・フェラーリ 52 +1 lap 0
12 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ルノー 52 +1 lap 0
13 9 マーカス・エリクソン ザウバー・フェラーリ 52 +1 lap 0
14 14 フェルナンド・アロンソ マクラーレン・ルノー 52 +1 lap 0
15 18 ランス・ストロール ウィリアムズ・メルセデス 52 +1 lap 0
16 2 ストフェル・バンドーン マクラーレン・ルノー 51 +2 laps 0
17 55 カルロス・サインツ ルノー 51 +2 laps 0
18 35 セルゲイ・シロトキン ウィリアムズ・メルセデス 51 +2 laps 0
NC 10 ピエール・ガスリー トロロッソ・ホンダ 4 DNF 0
NC 28 ブレンドン・ハートレー トロロッソ・ホンダ 4 DNF 0

コンディション

天気晴れ
気温24℃
路面温度26℃
周回数53

セッション概要

グランプリ名 F1ロシアGP
レース種別 決勝
レース開始日時

サーキット

名称 ソチ・オートドローム
設立 2014年
全長 5872m
コーナー数 16
周回方向 時計回り

F1ロシアGP特集

この記事をシェアする

関連記事

モバイルバージョンを終了