角田裕毅への罰則裁定を批判するジョージ・ラッセル「あの動きは全く以て適切だった」

アルファタウリ・ホンダの角田裕毅とウィリアムズのジョージ・ラッセル、2021年7月29日にハンガロリンクで行われたF1ハンガリーGPのFIA金曜プレスカンファレンスにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)は、F1サンパウロGPで起きたランス・ストロール(アストンマーチン)との一件でスチュワードが角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)に10秒ペナルティを科したのは誤りだと確信している。

角田裕毅はインテルラゴスでのレース4周目のターン1でイン側に飛び込んだ際、ストロールと接触。フロントウイングが損傷した事で早期のピットストップを余儀なくされ、15位でレースを終えた。ストロールはフロアのダメージの影響で47周目にリタイヤした。

The Raceによるとラッセルはロサイルでの金曜ブリーフィングを終えて「ストロールとの接触でツノダはペナルティを科されるべきじゃなかった」と語り、ティム・メイヤー、マッテオ・ペリーニ、ヴィタントニオ・リウッツィ、ロベルト・モレノら4名の競技審査団の判断を批判した。

「コントロールを失ったわけでも、ロックアップしたわけでもなく、あの動きは全く以て適切だったし、彼は余裕を以てエイペックスを捉えていた」とラッセルは付け加えた。

ラッセルはルイス・ハミルトン(メルセデス)に対するマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)の48周目のドライビングを調査不要とした判断についても誤りだと考えており、角田裕毅への裁定を含めて「先週の件は僕らすべてのドライバーにとって少し不穏当だった」と語った。

F1ドライバーによる組合、グランプリ・ドライバーズ・アソシエーションのディレクターを務めるラッセルは、各インシデントに対する裁定は「ケース・バイ・ケース」で判断されるべき事だと認めつつも、一貫性を欠くスチュワードのジャッジを問題視している。

なお伝えられるところによると角田裕毅は、ドライバーズ・ミーティングの中でドライバー仲間数名が自身の動きを擁護していたとした上で、スチュワードの判断は「かなり矛盾している」と批判したと言う。

スチュワードは一件について、ブレーキングは遅く「楽観的」であり責任は「全面的」にアルファタウリ・ホンダの新人にあるとの判断を下したが、角田裕毅は接触事故の際のオンボード映像を「何度も」見直した結果、自身にペナルティが科されるのは不当との考えをより強くしている。

理由として角田裕毅が挙げたのが過去の判例との矛盾だった。

メキシコGPの1周目のターン1でのブレーキングバトルの際、バルテリ・ボッタスの右リアとダニエル・リカルドの左フロントが接触するインシデントが発生した。ボッタスはスピンを喫し、リカルドはフロントウイングを失ったが、スチュワードはお咎めなしの裁定を下した。

角田裕毅はこの件を引き合いに出し、自身はリカルドとは異なり「タイヤをロックアップさせずにイン側の縁石に留まり続けていた」とした上で、事故が起きたのはストロールがミラーでの後方確認を怠った事で自身の存在を認識しないままターンインしたせいだと繰り返し主張した。

インシデントから1週間を経てなお角田裕毅は「あれは未だに全く僕の責任ではなかったと考えています」と語っている。

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