噂されるアルファロメオのF1撤退…ザウバーの救世主として名前が挙がるホンダ
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アルファロメオ・レーシングが2020年シーズン末を以てザウバーとのスポンサーシップを解消し、3年という僅かな期間でF1の表舞台から去る可能性がある…そんな噂が立ち始めた。
フェラーリの源流とも言うべきイタリアの高性能自動車ブランドは、2018年にザウバーとタイトルスポンサー契約を提携。30年ぶりにF1に復帰した。今年はその関係性を更に推し進め、スイス・ヒンウィルを拠点とするチームは「アルファロメオ・レーシング」を名乗っている。
アルファロメオは残り4レースを残した現時点で、35ポイントを獲得してコンストラクターズ8位。シーズン中盤以降の息切れはザウバー時代と変わらず、名門ブランドの看板を背負ったチームは下位争いを演じている。ポイントの殆どはベテランのキミ・ライコネンが獲得したもので、若きイタリア人ドライバーのアントニオ・ジョビナッツィは僅か4点に留まっている。
英国出身のF1ジャーナリスト、ジョー・サワードは、F1第17戦日本GPを終えて自身のサイトを更新。現行レギュレーションが満了を迎える2020年を以て、アルファロメオがザウバーとの関係を解消し、F1から撤退する可能性があると指摘した。
「アルファロメオは自動車市場での業績が良好とは言えず、2020年以降もザウバーとのパートナーシップが続く可能性は殆どないと考えられている。それはつまり、チームオーナーは同じ規模の別のスポンサーを探し出すか、チームの活動費を自ら支払う必要があることを意味している」
同じフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)傘下という事で、アルファロメオはフェラーリ製パワーユニットを搭載し、マラネロのサテライトチーム的立場を築いているものの、今のところ、それがヒンウィルのチームにポジティブなリザルトをもたらしている兆候はみられない。
ジョー・サワードは、「ザウバーがアルファロメオと提携したのは誤りだったのでは、と主張する声もある。ザウバーの前の経営陣はホンダとの契約締結に取り組んでいたし、ホンダは今年、レッドブル及びトロ・ロッソと非常に上手くやっているからだ」と述べ、識者の中には、ザウバーはフェラーリではなくホンダと提携すべきだったと考えている者もいると説明した。
ザウバーは以前、ホンダと技術提携を行い、2018年よりホンダ製F1パワーユニットの供給を受ける予定であったものの、”互いの目指す方向性に相違が生じた”として、合意を解消した経緯がある。
仮にアルファロメオがF1を去った場合、ザウバーはフェラーリの代替となるエンジンパートナーを探す必要に迫られる可能性がある。選択肢はメルセデス、ルノー、ホンダの3択。ジョー・サワードは次のように述べ、ホンダがザウバーに手を差し伸べる可能性があるとの考えを示した。
「フレデリック・バスール(アルファロメオ代表)はトト・ウォルフ(メルセデス代表)に接近しており、サーキットで共にいる場面が度々目撃されているが、マクラーレンが2021年からメルセデスと提携するため、ザウバーがメルセデスに入り込む余地はない。もっともウォルフは、レーシング・ポイントのローレンス・ストロール(オーナー)と共に過ごしているのをよく見かけるが」
「もし、レッドブルと共にもう少し成功を収める事ができれば、日本人F1ドライバーの誕生を望むホンダは、ザウバーを支援する事に興味を示すかもしれない。だがその場合、両者の関係は、ザウバーがフェラーリと提携する決断を下す前に議論されていたような関係とは異なるだろう」